
【魚には見えている】ケイムラ塗装ルアーが深場やマズメ時でも爆釣する科学的理由
「深場やマズメといったシビアな状況下でもケイムラなら釣れる」という話は、釣り師であれば一度は耳にしたことがあるでしょう。
確かになぜか釣れているアングラー(釣り人)のボックスには必ずと言ってよいほどケイムラが潜んでおり、確信をもって選んでいます。
この記事では魚の視覚生理学と高度な塗料工学に基づいたケイムラの威力を解き明かし、シビアな状況でも確実に釣果へつなげるヒントをご紹介しましょう。
目次
1.ケイムラルアーの正体は「リアリズム」
2.ケイムラルアーでボウズを逃れろ
3.ケイムラルアーの出しどころとは
4.本物のケイムラルアーの選び方
5.まとめ
ケイムラルアーの正体は「リアリズム」

ケイムラルアーの「ケイムラ」は、「蛍光紫(けいこうむらさき)」の略称です。
ケイムラは紫外線を可視光に変換して反射する特長をもつ蛍光塗料で、その特殊性がケイムラルアーならではの圧倒的な威力の源になります。
そもそも紫外線は波長が短くエネルギーの強い光ですが、水中では他の色よりも深く遠くまで届く性質があります。
魚が認識できる青白い光(可視光)に変換して反射する波長変換機能を持った特殊な蛍光塗料がケイムラです。
究極の生感を演出
人の目は赤・青・緑の色を感じる錐体(すいたい)細胞によって構成されていますが、多くの魚種はこれに加えて紫外線に感度のピークを持つ第4の錐体細胞を持っています。
そのため人は紫外線を見ることはできませんが、魚には青や赤と同じように「実在する色」として認識されています。
さらにプランクトンやベイトの鱗、エビの殻などは自然界の紫外線を反射しているため、魚は紫外線の色をエサの目印としているのです。
このような特殊な感知能力に目を付けたのがケイムラルアーで、生物が本来持つ生命感を塗装によって再現するための技術としてケイムラが採用されています。
そのためケイムラルアーは目立たせるための色ではなく、紫外線を変換して微弱な青白い発光を施すための色といえます。
下地を活かす透明度と発色の両立
従来の蓄光塗料は顔料の粒子サイズや特性上、塗膜が不透明になりがちですが、ケイムラ塗装は樹脂の透明度が高く、下地のホログラムやカラーを一切邪魔しません。
そのため日中の強光時にはは、下地のフラッシングで魚を誘います。
そしてローライトや深場ではケイムラが青白い光を放ち、二重構造による相乗効果でアピールします。この二段構えの誘いが可能となるのがケイムラルアー最大の魅力で、魚に違和感を与えることなく口を使わせられるのです。
ケイムラルアーでボウズを逃れろ

あたりがない時ほど強くアピールしがちですが、むやみにアピールするだけでは魚は近寄ってきません。
ボウズを回避するためには、魚の活性や環境にあわせてアピール力を調整する必要があり、その調整幅を劇的に広げるのがケイムラルアーです。
深場の暗闇でシルエットを際立たせる
水深が深くなると太陽光エネルギーは水分子に吸収され、水深20mを超えると青一色のモノトーンに変化します。しかし、紫外線は波長が短くエネルギーが強い光であるため、可視光線が届かないディープエリア(深場)にも到達します。
このディープエリアでこそ威力を発揮するのが、わずかな紫外線もとらえて魚が最も敏感に反応する青白い光へと変換するケイムラルアーです。
海釣りをしている個人的な見解も含まれますが、深場で釣れるアカムツ・イカ・アマダイなど海底付近で釣れる魚には絶大な威力を発揮することは証明されております。
特にターゲットが下からルアーを見上げると、海面から差し込む微弱な紫外線で発光するケイムラルアーはベイトの腹部の輝きをリアルに擬態します。ケイムラの青白い光はルアーのエッジを強調し、輪郭をくっきりと浮かび上がらせるため、迷いなきバイトを誘発します。
マズメ時こそケイムラルアーが役立つ
朝マズメやタマズメでは太陽が地平線のすぐ下に位置するため、波長の長い赤色光は散乱しやすいです。しかし、空の上層では紫外線が乱反射しているため、地上や水面では薄暗く感じる状況でも、水中には驚くほど豊富な紫外線が降り注いでいます。
この状況でケイムラルアーを投入すると、塗膜内の傾向分子が紫外線を効率よく吸収し自ら発光体となって存在をアピールします。特に、ケイムラのアピールは、捕食スイッチが入っているにもかかわらず視界が利かない魚に対して有効です。
周囲の暗闇に対してひときわ鮮明な発光となるため、マズメ時の短いチャンスタイムを逃さず、いち早く魚にルアーを見つけさせるための物理的な視認性向上ロジックとなるでしょう。
ステルスアピールで魚を騙す
「派手なルアーで引き寄せたいが、派手すぎでは見切られる」というジレンマは、多くの釣り師が抱える課題ではないでしょうか。そんな時におすすめなのが、ケイムラルアーのステルスアピールです。
ケイムラは工学的透明度が高いため、人の目には日中や澄み潮で過剰なプレッシャーになりません。
しかし、紫外線を感知する魚の目には、特定の角度で光る生き物らしい違和感として映ります。この見え隠れする光が、ステルスアピールでは重要です。
蓄光塗料は一律に発光し続けるため、スレた魚は防衛本能が瞬時に働き逃げてしまいます。ケイムラ塗料は光の当たり方で表情が変わるため、スレた魚でも本能をピンポイントにたたくことができます。
ケイムラルアーの出しどころとは

優れた技術や道具も適材適所で使うことが何よりも重要であることは、ケイムラであっても例外ではありません。
そこでケイムラの特性が最も活きる、具体的なフィッシングシーンを3つご紹介しましょう。
エリアトラウト
エリアトラウト(管理釣り場)では水質がクリアであることが多いため、魚はルアーをじっくりと観察します。通常は、エリアトラウトでは不自然な発光が命取りとなるものですが、ケイムラは最終兵器として有効な場合があります。
エリアトラウトでは、ペレットタイム(給餌時間)が決まっており、魚はその時間が最も興奮します。魚が日頃から食べるペレット(人工飼料)には魚粉や油脂が含まれており、これらは水中で紫外線を吸収・反射します。
つまりエリアトラウトの魚たちは、空から降ってくる紫外線を放つ物体は「エサ」であると学習しているのです。ケイムラルアーはペレット特有の生っぽい輝きを放つため、スレ切った状況であっても魚の口を使わせる最後の一押しとなります。
ソルト・オフショア
ソフト・オフショア(船釣り)でケイムラルアーは、光の届かない深海と地上をつなぐ唯一の架け橋となります。
オフショアジギングやタイラバが潜む水深100mを超えるディープエリアでは、赤や黄色の光はなく、ルアーも単なるグレーの物体と化します。
しかし、ケイムラを部分的に配したジグは、ディープエリアでのわずかな紫外線を青白い光へと変換し、存在を強くアピールすることが可能です。ジグの腹側や縁にケイムラを配したモデルを投下すれば、フォール中も複雑な明滅を繰り返し、魚の側線と視覚を同時に刺激します。
こうした光が届かない暗黒の海であっても確実にエサがあると確信させるこの光は、オフショアにおける絶対的なアドバンテージです。
ライトゲーム
アジングやメバリングなどのライトゲームはナイトゲームが主体ですが、常夜灯の下は紫外線の宝庫であり、プランクトンパターンの攻略がカギとなります。そこで威力を発揮するのが、ケイムラルアーの「ぼんやりとした光」です。
ケイムラルアーは常夜灯から漏れる微弱な紫外線を吸収し、水中でワームが膨張するようにぼんやりと光ります。
この光こそがアミの群れのように見え、プランクトンパターンの攻略につながります。
本物のケイムラルアーの選び方

ケイムラ塗料はホームセンターなどで市販されているため、DIYをすることも可能です。しかし、ケイムラ塗料は塗装工程が非常に繊細で、塗膜の厚みがわずかに変わるだけで発色バランスは崩れます。厚く塗りすぎれば下地の美しさは失われますし、薄く塗りすぎればすぐに剥がれます。さらに化学反応による変色が起こりやすいのも、ケイムラ塗料です。

透過率と発光バランスの黄金比
本物のケイムラルアーを選ぶ際に最も重視しなければならないのは、透明度と発光強度の黄金比です。
プロの塗装現場において透明度と発光強度は、常に相反する関係にあります。
発光を強めようと厚く塗りすぎると塗膜はわずかに白濁し、下地にある鋭い反射光は遮られます。
これでは、透明だからこそ効果を発揮するケイムラルアー最大の長所は活かされません。
本物のケイムラルアーは、直射日光下では完全にクリアであり、下地を100%透過させます。
しかし紫外線を浴びればぼんやりとした光を放ち、存在感がありつつも実態は透けているという視覚的矛盾を作り出します。
この実現には、薄膜で高発光を可能にする特殊な樹脂配合と高度な膜厚制御(塗装技術)が必要です。
ブラックライトによるセルフチェック
ケイムラルアーは各メーカーで取り扱っていますが、メーカーによっても発色の強さや色は異なります。例えば、色も青みが強いものがあれば紫に近いものもありますし、部分的にしか塗られていないものもあります。
しかしどう光るかは、実際に紫外線を当てて見なければ判断できません。そのため、釣具店にマイ・ブラックライトを持参し、購入する前に実際の発光を確認することが重要です。
その際には自分のいくフィールドの状況や水深に適したケイムラの発光であるか、確認するようにしましょう。
塗装の耐久性と自己分解の克服
ケイムラ塗装において耐久性が重要なのは、ケイムラ塗料そのものが紫外線によって自己分解する点にあります。
ケイムラルアーは紫外線を吸収して光る性質上、安価なコーティングやDIYでは数回の釣行で発光成分が破壊され、チョーキング現象(粉吹き)が起こりやすいです。そのためプロ仕様のケイムラルアーは、特殊なUV透過型クリア層によって表面を保護し、紫外線による劣化を防いでいます。
ここでは発光に必要な紫外線を通しつつ、塗膜自体の分解を防ぐ高度な樹脂配合技術が必須です。
さらにオフショアにおける岩礁への接触や歯の鋭い魚による攻撃にも、耐えうる硬度と弾力性を両立させなければなりません。色が残るだけでなく発光機能が発揮されたうえで真の耐久性を発揮できるものが、本物のケイムラルアーといえるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では魚の視覚生理学と高度な塗料工学に基づいたケイムラの威力を解き明かし、シビアな状況でも確実に釣果へつなげるヒントをご紹介してきました。
ケイムラルアーは、魚の見る力を逆手に取った科学的なアプローチです。人の目では見えない紫外線の光を味方にすることで、ルアーは水中で魅力的な生命体へと変化します。ケイムラルアーによる爆釣は、決して魔法や偶然ではありません。
厳しい状況を最高のチャンスに変えるためにも、ぜひDIYでケイムラ塗料を活用したルアー制作を行い、魚の視点にたった戦略を組み立ててみましょう。
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