駐車場のライン引きはDIYでもできる!?費用や手順を解説

駐車スペースにおけるラインはは、利用者の満足度を左右する重要なインフラであり、自宅であっても駐車場のラインが歪んだりかすれていた場合は「手入れが行き届いていない印象」、収益物件では「マナー違反や利用者とのトラブルを招く危険」があります。

しかし「業者の見積もりは高すぎる」との意見もあり、DIYで施工できないか判断に悩む人は多いのではないでしょうか。

この記事では、DIYと業者の2択で判断する際のわかりやすい基準を、ライン引きの手順や駐車場の推奨スペースと併せて解説します。

目次

1.【DIYと業者】メリット・デメリットで決まる
2.【DIYと業者】目的別で決める
3.DIYで失敗しない塗料選びと道具の準備
4.駐車スペースのサイズとは
5.ライン引きの手順
6.まとめ

【DIYと業者】メリット・デメリットで決める

塗料技術が発達したことやDIYブームなどの影響もあり、駐車場のライン引きもDIYで挑戦する人が増えています。

しかしDIY経験者であっても駐車場ライン引きの経験がある人は、それほど多くはありません。

塗装経験があっても業者に依頼するケースもあるため、どちらを選択した方が良いか判断は難しいです。

それだけにそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、DIYと業者依頼のどちらにするかを判断するのがおすすめです。

DIYのメリット・デメリット

項目 メリット デメリット
費用 1万円以内に抑えられることが多い 塗り直しを繰り返すと結果的にコスト増
手軽さ 自分の好きなタイミングで施工可能 準備・養生など工程が多く重労働
仕上がり 小規模なら十分対応可能 ゆがみ・ムラが出やすい
耐久性 簡易補修がしやすい 摩耗しやすく寿命が短い

DIYの最大のメリットは、圧倒的な安さにあります。業者に依頼する場合、材料費や人件費のほかに車代や利益が費用に上乗せされるため、一般的に数万円程度かかります。

これに対してDIYにかかる費用は塗料の購入費用と道具代のみのため、1万円以内で納めることが可能です。

とはいえ駐車場のライン引きは表面の掃除に始まり養生、塗装とさまざまな工程が必要なため、想像以上に重労働です。

さらに市販の塗料はタイヤの摩擦に弱いため、車の出し入れが頻繁なほど寿命が短く、こまめな引き直し作業が必要です。

また地面には凹凸や微妙な傾斜などによって線がゆがむことも、少なくありません。

このような過酷な労働や寿命の短さ、仕上がりの質が劣ることなどは、DIYでラインを引くデメリットと言えます。

業者依頼のメリット・デメリット

項目 メリット デメリット
費用 まっすぐで美しい高品質なライン DIYより費用が高い
耐久性 摩耗に強く長寿命 初期費用が数万円以上かかる
作業負担 すべて任せられる 日程調整が必要
コスト感 長期的にはコスパが良い場合も 狭い範囲だと割高に感じやすい

業者依頼のメリットは、質の良い仕上がりと寿命の長さにあります。

業者では熱で溶かした樹脂を路面に焼き付けてラインを引くため、非常に頑丈で寿命も長いです。

さらに専用の機械と職人の技術・経験によってゆがみのないまっすぐなラインが引けるため、仕上がりの質は非常に高いです。

しかしコストの高さは、最大のデメリットになります。

比較的安い価格でサービスを提供する業者もありますが、基本料金が発生する点はどの業者も共通します。

さらに施工準備の手間は線を引く範囲に影響されないため、狭い範囲で業者に依頼するとさらに割高に感じるでしょう。

【DIYと業者】目的別で決める

駐車場に「どんな目的でラインを引くか」で、DIYが良い場合と業者に依頼した方が良い場合に分かれます。

自宅の駐車スペースに引きたい場合

自宅の場合はコストパフォーマンスを重視すべきなので、DIYがおすすめです。

業者に依頼した場合は台数にかかわらず基本料金・人件費・諸経費がかかるため、安い場合でも3万~5万円はかかります。

これに対してDIYは塗料と道具のみなので、数台分のラインを引いても1万円以内とリーズナブルです。

しかし家庭用アスファルトはプロ仕様のアスファルトに比べると柔らかい傾向があり、強力な油性塗料はアスファルトを溶かす危険があります。

そのため家庭用アスファルトをDIYする場合は、水性塗料を選ぶのがおすすめです。

個人管理の駐車場に引きたい場合

賃貸やコインパーキングなど個人管理の駐車場の場合は、業者依頼がおすすめです。収益物件では、駐車場の白線は駐車スペースへの誘導ではなく、契約の境界線となります。

ラインが不明瞭だと隣の車との接触が起こるなど、トラブルが発生しやすくなります。さらに耐久性を高めることも、収益物件においては重要です。

なお、業者に依頼した場合は、溶融式と呼ばれる手法で地面に焼き付けます。専用の重機を使用するため費用が高くなりますが、DIYの5倍以上の耐久性があるため、長期的に見るとコスト削減になります。

古くなったラインを引き直したい場合

引き直しの場合は、既存のラインの状態によっておすすめの方法が変わります。既存のラインの状態が単に色が薄いだけならば、収益物件であってもDIYで上塗りすることが可能です。

しかし溶融式で引かれた厚みのあるラインが割れるまたは剥がれた状態の場合は、業者への依頼がおすすめです。

この場合は既存ラインの削り取り(ライン消し)を行ったうえで、ラインを引き直す必要があります。

なお削り取りを行わずにDIYで上塗りしても下地ごと剥がれるため、「引き直し」にはなりません。

DIYで失敗しない塗料選びと道具の準備

DIYに限らず、塗料の選び方によって仕上がりや耐久性は大きく変わります。
特に、駐車場ラインのように摩耗が激しい場所では、塗料の性能差そのまま寿命に直結します。

また、DIYでは、塗料だけでなく道具の準備が仕上がりを左右します。初めて施工する場合は、必要な道具を事前に揃えておくことが失敗を防ぐポイントです。

水性・油性・スプレーの選び方

DIYで失敗したくない場合は、扱いやすい水性塗料を選ぶのがおすすめです。

アスファルトは油で溶けやすい(軟化しやすい)性質があるため、アスファルトの保護のためにも水性の方が適しています。耐久性を重視したい場合は、油性塗料がおすすめです。

油性塗料は水性塗料と比べて剥がれにくいため、タイヤによる摩擦にも強く、仕上がりもプロ施工に近いです。

しかし刷毛を洗浄する場合や誤って服に塗料が付いた場合は、専用の薄め液を使用しなければなりません。さらに、有機溶剤のにおいがするため、ご近所トラブルにならないよう配慮する必要があります。

手軽さで選ぶなら、スプレーがおすすめです。スプレーの場合は刷毛やローラーも不要な上に、専用の車輪付き道具を準備すれば、スプレーをセットして歩くだけでまっすぐな線が引けます。

「アスファルト用」「路面用」と明記された製品を選ぶ

塗料を選ぶ際は、パッケージや商品説明に「アスファルト用」「路面用」と明記された製品を選ぶことが重要です。

これらの製品は、アスファルト特有の凹凸や温度変化、タイヤによる摩耗を想定して開発されているため、密着性や耐久性に優れています。

用途の記載がない一般的な塗料を使用すると、施工直後はきれいに見えても、短期間で剥がれやひび割れが起こる可能性があります。

駐車場ラインのように負担がかかる場所では、必ず用途に適した専用塗料を選ぶようにしましょう。

初心者が揃えるべき道具

初心者が揃えるべき道具は、「専用のペンキ」「布製のマスキングテープ」「デッキブラシ」の3点です。

専用のペンキはラインを引く目的に合わせて水性・油性・スプレーから選べばよいですが、いずれの場合も駐車場専用を選びましょう。

マスキングテープは、まっすぐな線を引くために必要な道具です。線の両サイドに貼るため線の種類や駐車スペースによって必要な量は違いますが、布製を選ぶとアスファルトにしっかりくっつきます。

デッキブラシは、塗装前の清掃に重要な道具です。塗る前に行うアスファルトの清掃によってライン引きの仕上がりは大きく変わるため、必ず準備しましょう。

駐車スペースのサイズとは

ライン引きで最も時間をかけなければならないのは、正確な測量とサイズ設計にあります。

駐車場のラインには、「駐車可能な範囲を知らせること」以外に「安全な車の駐車を誘導すること」も目的として挙げられます。

さらに収益物件の場合は効率よく設計することで利益につながるため、目的に合わせたサイズ設計が重要です。

乗り降りを重視した場合

安全な車の乗降を重視する場合は、ゆとりのあるサイズ設計が重要になります。

一般的な普通車の車幅は約1.8mのため、荷物の積み下ろしなどでドアを全開にしたい場合は、幅2.7m~3.0m/長さを5.0m~5.5mとするのがおすすめです。

2台以上のスペースを作りたい場合も、ゆとりのあるサイズで設計すると、ドアパンチのリスクを回避することができます。

なお車止めがある場合は、トランクを開けるスペースを確保するためにも少し余裕を持たせた方が良いでしょう。

効率・利益を重視した場合

収益物件の場合、普通車は幅2.5m/長さ5.0m、軽自動車専用は幅2.0m~2.2m/長さ3.6m~4.0mが、最も多くの利益を得るサイズ設計です。

電柱や敷地の端などのデッドスペースに軽自動車専用スペースを配置すると、全体の収容台数が増加し収益につながります。

ただし詰め込みすぎは「停めにくい駐車場」という印象を与える上に、場所によっては稼働率が下がるリスクもあります。

前面道路が4m未満の狭い場所では、入庫の際に切り返しが必要です。そのため幅をあえて2.7m~3.0mに広げたり、入口を斜めに設置するなどの対策をしましょう。

ライン引きの手順

業者に依頼する場合は専用の重機を使うなど塗装の段階で工程が変わりますが、基本的な手順はDIYの場合と同じです。

なお作業は、晴天が2日以上続く日に行うことも重要なポイントです。

①清掃

ライン引きにおいて最も重要な作業が、アスファルトの清掃です。仕上がりの8割を左右するともいわれるため、プロでも徹底した清掃を行います。

清掃ではゴミや砂だけでなく、表面に付着した苔も取り除かなければなりません。

これらが除去されないまま塗装した場合、塗料が浮いた状態となり、塗装後数ヶ月ではがれてしまいます。

②墨出し「さしご(3:4:5)の法則

サイズ設計をもとにメジャーで四隅を測り、チョークラインで直線を打っていきます。直角は「さしご(3:4:5)の法則」で作るのがおすすめです。

まず基準となる横線を最初に引き、直角にしたい場所に印をつけたら、角から4mの位置に印をつけます。

角から垂直方向にメジャーを伸ばし、3mの地点で地面に軽くカーブをえがきます。

最後に4m地点の印からカーブに向かってメジャーを伸ばし、ちょうど5mになった時点が直角のポイントです。

③養生

印に合わせて、線の両側に布製マスキングテープを張ります。

塗装する際には布製マスキングテープの間をペンキで塗るため、テープを張るときも歪みが出ないようまっすぐに貼るようにしましょう。

④塗装

塗装のポイントは、「1度で完成させないこと」です。

一度に厚く塗るとムラができるだけでなく、乾いたときに剥がれやひび割れが起こる事があります。

そのため1度塗りでは薄く塗り乾燥後2度塗りするのが、ムラを抑えてきれいに仕上げるポイントです。

⑤撤去

布製マスキングテープの撤去は、塗料が完全に乾ききる前に行います。完全に乾ききった後にテープをはがすと、乾いた塗装面も一緒に剥がれてしまうことがあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
この記事では、DIYと業者の2択で判断する際のわかりやすい基準を、ライン引きの手順や駐車場の推奨スペースと併せて解説してきました。

駐車場のライン引きは業者依頼だけでなくDIYでも可能ですが、塗装後は定期的にメンテナンスを施すことが耐久性を高める重要なポイントです。

寿命の長い業者依頼の場合も、塗装から5年経過したら状況を見てメンテナンスを行う必要があります。

特に収益物件の場合は、きれいなラインを保つことが「適切に管理されている」という無言のメッセージとなり、結果として賃料の維持など収益アップにつながります。

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