
【金属塗装】ステインでキャンディーカラーを演出する魅力と塗装方法
ステインを使ったキャンディー塗装は、金属に圧倒的な透明感と奥行きを演出する際におすすめの塗装方法です。
キャンディー塗装では単に色を塗るのではなく、光の反射で色の中に透き通るような輝きを表現します。
それゆえに知識や技術を有する塗装方法ですが、キャンディー塗装の仕上がりは虜になるほど美しいものです。
そこで本記事ではステイン特有の性質を理解しつつ、初心者でもキャンディーカラーで最高の仕上がりを目指す方法を解説します。
目次
1.キャンデイー塗装とは
2.ステイン塗装による色彩演出
3.ステインレッドの特徴
4.ステインブルーの特徴
5.ステインイエローの特徴
6.塗り方のポイント
7.まとめ
キャンディー塗装とは

キャンディー塗装とは、下地の金属を透かして見せることにより、透明感と色の深みを表現する塗装方法です。
一般的に「顔料系」と呼ばれる塗料は色の中に細かな粒が入っているため、金属に塗ると表面をすべて覆い隠してしまいます。
しかしキャンディー塗装で使用するステインは「染料」と呼ばれるもので、水またはオイルに色(ステイン)が完全に溶け込んでいるのが特長です。
例えるなら顔料系がポスターカラーであるのに対して、ステインは色水といえます。
そのためステインで金属を塗ると、金属の質感を消すことなく色のみをのせることが可能です。
キャンディー塗装における3層構造
透明感と色の深みを演出するキャンディー塗装は、「ベースカラー」「ステインカラー」「トップコート」によって構成されます。
各層にはそれぞれの役割があり、すべてを重ねることでキャンディー塗装特有の色彩が表現されます。
ベースカラーは「下地層」と言い、3つの中で最初に作る層です。
下地層では光を反射させる役割があるため、カラーにはシルバーメタリックやゴールドが使われます。
ステインカラーは「着色層」で、キャンディー塗装では主役となる層です。
着色層は色の深みと関係のある層でもあり、重ね塗りの回数で色に変化が起こります。
トップコートは「保護層」と呼ばれており、一般的な塗装の「クリア層」と役割は同じです。
| 層の種類 | 塗料の種類 | 層の役割 |
| ベースカラー(下地層) | シルバーメタリックやゴールド等 | 光を反射する役割 |
| ステインカラー(着色層) | 透明な染料カラー | 光を透過させ下地で光を反射し、再び光が戻って発色させる役割 |
| トップコート(保護層) | 透明なクリアー染料 | 膜厚を作り、染料が退色するのを防ぐ |
ステイン塗装による色彩演出

キャンディーカラーは、光の動きをコントロールすることによって独特の透明感と奥行きのある色を作ります。
そのため光のコントロールが、キャンディー塗装では何よりも重要です。
なおキャンディーカラーでは重ね塗りが基本であり、「一度で色を付ける」という発想は失敗の原因となります。
そのためさまざまな方法で色を付けていくことが、キャンディーカラーのステイン塗装では重要です。
吹き付け回数で演出する方法
吹き付け回数で演出するためには、光をコントロールすることが重要です。
不透明塗装の場合、光は表面で反射します。
しかしキャンディーカラーの場合、光はステインカラー(着色層)を透過しベースカラー(下地層)で反射した後、再度ステインカラー層を通って発色します。
この光の動きをコントロールするためには、薄い色を塗り重ねることが重要です。
ステインを吹き重ねて希望の色を演出する場合、3回から4回吹き重ねた時にイメージの色目になるのが理想と言えるでしょう。
重ねた回数が多いほど光が通過する距離が長くなるため、薄い色でも奥行きのある色が演出できます。
下地処理で演出する方法
ベースカラーの色をシルバーやメタリックにすることで、キャンディーカラーをより生かすことが可能です。
例えば下地をメタリック(シルバーベース)に塗装し、クリアーにステインレッドを混ぜて吹いた場合は、メタリックレッドが演出されます。
また、下地をメタリック(シルバーベース)に塗装し、クリアーにステインイエローを混ぜて吹いた場合は、ゴールを演出できます。以上のように、下地を金属やメッキ系からのステイン塗装する場合よりステインの高級感や奥行き感を演出することができるのです。
本体の色を忠実に発色させたい場合は、シルバーベースにします。色に高級感を加えたい場合は、ゴールドベースにします。ゴールドベースでは、赤または青に独特な風合いを加えたい場合におすすめです。
例えばシルバーベースの場合ステイン赤を重ねると、鮮やかさと深みが共存した高級感のあるメタリックレッドになります。緑を重ねると、メタリックグリーンのように深いカラーを演出します。
さらに黄色のステインをごく少量混ぜることで、「青寄りの緑」「緑寄りの青」を表現することも可能です。
パーツの形状を活かす方法
パーツに起こる塗料溜まりを活かして自然なグラデーションを作った色も、キャンディーカラーの特長です。
塗料溜まりの具合が曲線やエッジ部分で変化する現象を活かした技法で、立体感を強調させたいときにおすすめです。
ステインレッドの特長

ステインレッドは、キャンディー塗装で最も人気がある色です。
塗りすぎると黒っぽくなるためDIYでは注意が必要ですが、高級感と深みのあるキャンディーカラーの魅力を存分に味わえます。
明度・彩度のコントロールによる色の変化
ステインレッドは、明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)によって、発色に変化が出ます。
透明なステインを塗るため、塗り重ねの回数によって発色や印象が変化します。
| 塗る回数 | 色 | 印象 |
| 1~2回 | ピンクまたはオレンジ寄りの赤 |
|
| 3~4回 | ピュアレッド |
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| 5~6回 | ディープ・ルビー |
|
| 7回以上 | ワイン・ボルドー |
|
塗装の難易度
ステインレッドはムラが目立ちやすいため、塗装の難易度は中程度です。
ステインブルーの特長

ステインブルーは神秘的で深みのある青が特長で、海や宇宙をイメージして表現したいときにおすすめです。
クリアー混合で生み出す青
ステインブルーは、「クリアー」と呼ばれる透明塗料をステインと混ぜる方法がおすすめです。発色が強い青は色を重ねるとムラになりやすく、DIYでは失敗しやすいです。
そのためクリアーで薄めるとムラが抑えられ、均一に色がのるようになります。なお初心者は、クリアー10に対しステイン1で配合するのがおすすめです。
さらに塗る際には薄い塗膜を何層も作るのがポイントで、理想の青になるまで色を重ねます。
塗装の難易度
色を重ねた部分が黒っぽく見えやすいステインブルーは、一定の速さでスプレーを動かす技術が必要なため、難易度は高めです。
ステインイエローの特長

ステインイエローは、シルバーカラーの下地層に黄色を塗ることで金メッキのような高級感を出せるのが特長です。
色が重なってもムラが目立ちにくいため、キャンディーカラー初心者でも失敗が少ないです。
重ね塗りで金の風合いの違いを演出する
ステインイエローは、塗り重ねる回数によって色の特長や風合いが変化します。
下地をメタリック(シルバー)ベースの上からクリアーにオレンジを混ぜた色目を塗り重ねる場合
回数が多くなるほどオレンジがかった金色になるため、アンティーク調にしたい場合やカッパー色を演出したい際におすすめです。ステインイエローとして発色したい場合は、3回以上の塗り重ねが必要です。
黄色味が強すぎずベースカラーのシルバーとのバランスも良いのが3~4回で、品のある金色を目指したい場合に適しています。
| 塗る回数 | 色のイメージ | 風合い |
| 1~2回 | シャンパンゴールド風 | 最もシルバーに近い金色 |
| 3~4回 | 純金風(24金風) | 幅広いパーツと合わせやすい万能な金色 |
| 5~6回 | カッパー風 | オレンジ色が濃く豪華な輝き |
| 7回以上 | アンティークゴールド風 | 歴史を感じる重厚な金色 |
塗装の難易度
イメージ通りの金色になるまで塗り重ねが必要ですが、黄色は重なってもムラになりにくいため、難易度は低めです。
塗り方のポイント

色水のように透明なステインを何層にも重ねることで理想の色を出すキャンディー塗装は、物理現象をコントロールすることが成功のカギです。
湯煎技術
キャンディー塗装における湯煎技術では、細かな霧状で塗布するためにスプレー缶を物理的に温めます。
スプレー缶内部の圧力は冬場や湿度の高い日に下がりやすく、そのままの状態で噴霧すると塗料は大きな粒状で吹き出します。
大きな粒状のままで金属に付着すると表面はざらざらになり、キャンディー塗装の特長である鏡のような透明感は生まれません。
そこで40℃前後のお湯で缶の底までしっかりと温め、時折上下に振って内部の塗料とガスが均一になるように混ぜます。
なお温める時間の目安は5~10分で、温めすぎは塗料に悪影響が出ることがあります。
スプレー距離とスピードの関係
キャンディー塗装は、スプレーと塗布する面の距離および塗布のスピードが良し悪しを左右します。
スプレーの出口と塗布する面の距離は、15~25cmを目安にするのがポイントです。
スプレー距離が近すぎると色が濃くなり過ぎるだけでなく、液だれを引き起こすリスクがあります。
反対にスプレー距離が遠すぎると艶がなくなり、粉を吹いたようなざらざらした質感になります。
さらにスプレーを動かす手のスピードも、一定に保つことが重要で、最も避けなければならないのが「手を止める事」です。
なお動かすスピードが速いと塗料のりが少ないため色は薄くなり、スピードが遅いと塗料が必要以上に濃くなります。
重ね塗りの使い分け
キャンディー塗装では、イメージする質感や用途に合わせて重ね塗りの使い分けをするのがポイントです。
複数回塗り重ねて色を作るのがキャンディーカラーですが、最初の1~2回は「捨て塗り」と呼ばれる塗り方をします。
捨て塗りでは「色を付けること」が目的ではなく、「塗料を密着させること」が目的です。
実際に色付けをしていくのは3回目以降が目安で、捨て塗りは3回目以降の塗料が表面に密着しやすくするための足がかりとなります。
3回目以降の塗り方は、塗るタイミングがポイントです。
表面がやや濡れて見える程度が3回目以降の塗るタイミングで、完全に乾いた状態で塗ると層と層が剥離する原因になります。
しかし塗面を手で触れて乾き具合を確認するのは、厳禁です。
実際に手で触って確認したい場合は、テスト用の破片を用意しておくのがおすすめです。
まとめ
キャンディーカラーで理想の色を再現するなら、いかにして光をコントロールするかがポイントです。光のコントロールは、どのように反射させるかで決まります。
そのために重要になるのが、「ベースカラー」「ステインカラー」「トップコート」の3層です。
光を反射させる元であるのがベースカラーで、光に色を付ける役割がステインカラー、光にツヤを与えて透明感を出すのがトップコートです。
この3層をいかに組み立てるかで色が変わるのがキャンディーカラーなので、仕組みを理解できれば初心者でも挑戦できます。
ただし作業中は、常に透け感を確認する必要があります。
暗い室内で色を確認すると透け感がわかりにくく、塗りすぎて真っ黒になりやすいです。
そのため塗りすぎを防止するためにも、確認する際は強いライトまたは太陽光の下で行うようにしましょう。
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