【初心者でもプロ級の仕上がり】染料系ステインの選び方と失敗を防ぐコツ

木材の色付けにはさまざまな塗料がありますが、木材本来の質感を活かすならば、染料系と呼ばれる「ステイン」が最適です。

染料系ステインが扱えるようになると、ホームセンターで安く手に入るパイン材や合板なども、高級アンティーク家具のように仕上がります。

そこで本記事では初心者でもプロ級の仕上がりを目指すために、知っておきたい染料系ステインの基礎知識と塗り方のポイントを解説します。

目次

1.染料系ステインとは?
2.染料系ステインと顔料系ステインの違い
3.失敗しない塗り方の基本
4.染料系ステインの「調色」とは
5.初心者が陥る主な失敗と対策
6.まとめ

染料系ステインとは?

染料系ステイン」は着色剤であるステインの一種で、粒子が非常に細かいのが特長です。

粒子の大きさは浸透率と関係があり、微細な粒子の染料系ステインは木材の繊維の奥までしっかりと浸透します。

そのため木製家具や木製美術の製作現場では、欠かせない塗料の一つです。

透明感と立体感の違い

染料系ステインで表現できるのは、透明感と立体感です。

どちらも木材の繊維(導管)の奥深くまで着色料が浸透するからこそ表現が可能になりますが、両者には大きな違いがあります。

まず染料系ステインの「透明感」とは、木目を塗りつぶさず木材本来の表現を透かして見せるのが特長です。

これに対して「立体感」は、木材の密度が違うことにより表現が大きく変わります。

木材には「夏目」と「冬目」がありますが、夏目は密度が低く柔らかなスポンジ状であるのに対し、冬目は高密度なため硬いプラスチックのような状態です。

この違いから夏目は色が濃く冬目は薄く見えるため、平らな木材に立体感が生まれます。

染料系ステイン顔料系ステインの違い

ステインのタイプは、「染料系ステイン」「顔料系ステイン」に二分されます。

染料系ステインは、極小粒子で色水のように繊維の奥まで浸透し、透明感と立体感など木目を生かす表現をします。

対して顔料系ステインは木の表面の凹凸に引っ掛かることで着色するため、粒子は大きく泥のようです。

そのため木材本来の個性を生かす場合は染料系ステイン、耐久性や色を重視する場合は顔料系ステインを選びます。

染料系ステインのおすすめな使い方

木目や夏目・冬目の違いで複雑な立体感を出すのが、染料系ステインのおすすめな使い方です。

ケヤキ・ナラ・マホガ二・オーク・黒檀調など木の持っている木目を演出できるのも染料系ステインになります。

さらに均一に薄く塗れるようになれば、重ね塗りによって奥行きのある色を表現することも可能です。

顔料系ステインのおすすめな使い方

粒子の大きさから紫外線をブロックする効果がある顔料系ステインは、ウッドデッキや屋外家具の塗装におすすめです。

塗料によって木の表面を覆うため、色にばらつきのある板や安価な木材の色を均一に整えたい時にもおすすめです。

混合型ステインという選択肢

ホームセンターなどで市販されているステインの多くは、「混合型」と呼ばれるものです。

混合型ステインは、染料系の「木材本来の美しさ」と顔料系の「塗りやすさ」を兼ね備えている点が最大の特長です。

染料系は木材本来の美しさを活かせますが、薄く均一に塗らなければなりません。

塗りやすさを重視するならば顔料系ですが、色が主役となり木目そのものを活かすことは難しいです。

対して混合型は染料系のような美しさを活かしつつ顔料系の塗りやすさを発揮するため、初心者でも失敗なくきれいに仕上がります。

失敗しない塗り方の基本

染料系ステインは、一度に色を付けるのではなく、丁寧に塗り進めることが重要です。

また木目の魅力を最大限に引き出すには「木肌をいかに整えるか」が重要で、下地準備と薄塗りの反復が塗り方の基本になります。

下地調整(生地調整)

下地調整とは、木肌の表面を整える作業を指します。

木材は表面に毛羽立ちや見えない傷があり、磨かずに染料系ステインを塗ると毛羽立ちや傷に塗料がたまり汚れのように見えます。

そこで紙ヤスリを使い毛羽立ちや傷を取り除いた後、表面を平らに仕上げるのが下地処理です。

紙ヤスリは、数字が大きいほど目が細かくなります。

そのため最初は240〜320番の中目で優しくこすり、仕上げは400〜600番の細目で表面がサラサラになるまで研磨します。

磨き終えたら硬く絞った布や掃除機で木くずを取り除くのですが、この際に木くずが残るとプロ級の仕上がりは望めません。

取り除いた後も指の腹で木肌を触り、取り漏れがないか必ず確認しましょう。

ウエスで塗る

染料系ステインは一般的に刷毛で塗りますが、刷毛だと液だれがしやすい上に塗りすぎのリスクがあるため、初心者にはお勧めしません。

刷毛の代わりとしておすすめなのが、「ウエス」です。

塗装用のウエスが市販されていますが、使い古しのTシャツなど綿100%の布でも代用できます。

ウエスは指先に巻きつけ染料系ステインを少量しみこませたら、小さな円を描くイメージで木材に刷り込みます。

この際に一度に広い面を塗るのではなく、少しずつ塗る範囲を広げることが重要です。

なおウエスにしみこませる際には、色止めシーラーに染料を2~3%程度混ぜて
染料系ステインが木目に一気に染み込まない程度を目安にしましょう。

濃淡の付け方

染料系ステインの場合、色の濃淡は重ね塗りで調整します。

一度塗りから染料系ステインをそのまま使うことも可能ですが、初心者の場合は専用の色止めシーラーに染料系ステインを2~3%混ぜ薄めて使う方法がおすすめです。

ウエスで染料系ステインを刷り込んだ後乾いた布で拭き取り完全に乾かすまでが塗る工程で、これを繰り返すことで濃淡をつけます。

一度塗りの段階ではイメージしている色よりも薄く感じますが、回数を重ねるうちに深みと透明感が出てきます。

なお濃くなりすぎたものを修正することは難しいため、完全に乾いた段階で必ず色(濃淡)の確認を行うことが重要です。

塗る際の手の動かし方

ウエスで塗る際、「手を止めず一気に動かす」のが手の動かし方の基本です。

なぜなら染料系ステインは木材への吸収が非常に速いため、手を止めると、止めた部分のみ余分にしみこんで色に段差ができます。このような現象を「継ぎ目跡(つぎめあと)」といいます。
刷毛塗する場合は「刷毛目跡(はけめあと)」と言います。

そこでウエスを使う場合は塗る範囲を区画で分け、一区画ごとに塗り進めるのがおすすめです。

一区画は30センチ四方を目安にし、区画内で小さな円を描くように手を動かして刷り込みます。

最初の一区画で色がなじんだら、別の乾いた布で拭き取りますが、拭き取る際には木目に沿って直線的に撫でます。

このときも手の動きは止めず、端から端に向かって一気に手を動かすことが重要です。

このように「円を描いて刷り込む」「端から端に向かって直線で拭き取る」という一連の動作を、一区画ごとに行っていきます。

染料系ステインの「調色」とは

染料系ステインでは、初心者でもオリジナルの色を作る調色が楽しめます。

染料系ステインは顔料系とは違い色水のような塗料のため、液体同士が混ざりやすく、簡単に調色ができます。

オーク・ウォールナット・ブラウン・ブラックで無限に色を作る

初心者が調色にチャレンジする際に覚えておきたい基本の色が、「オーク」「ウォールナット」「ブラウン」「ブラック」です。

実は染料系ステインではこの4色をそろえるだけで、ほとんどの色を再現できます。

ヴィンテージ感を出すのに適したブラウンとブラックは、オリジナルのヴィンテージカラーを作りたいときに便利です。

例えばアンティーク風に仕上げるのにおすすめなウォールナットに少量のブラウンとブラックを組み合わせると、カフェ風ヴィンテージになります。塗った後にサンドペーパーで色を削り落とすとよりビンテージ感が演出されます。

他にもさまざまな色に少量加えることで簡単にヴィンテージ風となるため、調色の隠し味として覚えておくとよいでしょう。

ヴィンテージ風カラー

基本の4色を全て混ぜると、簡単にヴィンテージ風カラーが作れます。

配合のレシピを変えることで色の印象が変わるため、自分好みの色を作りやすいという点も初心者におすすめです。

3色すべてを混ぜてヴィンテージ風カラーを作るポイントは、ベース(オークまたはウォールナット)にごく少量のブラウンとブラックを加える事です。

ブラウンは本来持っているウッドの色目を演出…ブラックには色をくすませる効果があるため、ベースに隠し味として加えると木材の鮮やかさを抑えることができます。

例えば「オーク6、ウォールナット2、ブラウン1、ブラック1」の配合なら、長年使いこんだ古材のようになります。

なお調色をする際には、端材で試し塗りをすることが失敗しないコツです。

染料系ステインは完全に乾いた状態で色が安定するため、乾燥後の発色を確認して微調整すると失敗を防ぐことができます。

初心者が陥る主な失敗と対策

木材への浸透力が強い染料系ステインは、思わぬことで失敗につながります。

特に染料系ステインは乾燥によって色に変化が起きるため、初めのうちは思わぬことが原因で失敗することがあります。

失敗①色が濃くなりすぎる

「イメージしていた以上に黒っぽくなった」ということは、初心者がよく起こしてしまう失敗です。

木の繊維の奥まで色がしみ込んでいるため、一度黒っぽくなったものを明るくすることは、プロでも非常に難しい作業です。

この場合は、染料を専用の薄め液で2倍以上薄めてから使うと防ぎやすくなります。

重ね塗りをすることで色を濃くするのが染料系ステインなので、「色を付ける」ではなく「重ねて色を育てる」というイメージを持ちましょう。

なお端材で試し塗りをし、何度塗り重ねると理想の色になるかテストしてから本番に入ることもおすすめです。

失敗②端のみ色が濃い

木材の端の部分(木口)のみが真っ黒に染まる現象も、起こりがちな失敗です。

これは端の部分が繊維の束となっているため、他の部分よりも多くの塗料を吸い込んでしまうことで起こります。

この場合はあらかじめ端の部分を他の部分よりも念入りに紙ヤスリをかけ、木の繊維のすき間を細くすることで防ぐことが可能です。

失敗③塗りムラ・継ぎ目跡

先に塗った部分と新しく塗った部分の境目がはっきりと残ることを、継ぎ目跡と呼びます。

この現象は、染料系ステインの乾燥スピードが速いことが原因で起こる失敗です。

対策としては、ウエスで塗る基本を守ることが重要です。

例えば、ウエスの手の動きを止めてしまうと、止めた部分だけ余分に吸い込んでしまい、塗りムラができます。

またウエスで塗った後に乾いた布で拭き取ることを忘れると、継ぎ目跡ができやすくなります。

このように、「手を止めずに塗り進める」「木目に沿って塗る」「ウエスで塗ったら必ず拭き取る」の3点を徹底することが重要です。

まとめ

染料系ステインは、木材本来の個性を最大限に活かせる点が最大の特徴であり魅力です。

乾燥スピードが速いため慣れない間はウエスで塗る方法がおすすめですが、その場合も刷毛同様、手を止めずに一気に塗り進めることが重要です。

これらを理解できるようになれば、調色や単色では表現できない深みのある色が出せるようになり、どんな木材も高級材に変えられるようになります。

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