
木材のウレタン塗装が経年劣化するとどうなる?原因と補修方法を一挙に解説
ウレタン塗装は、木材の耐久力を向上させたり、ツヤを出して高級感を演出したりできる便利な塗装です。しかし、ウレタン塗装は経年劣化してくると様々な変化が生じてしまいます。
「以前のようなツヤが無くなった」
「家具が変色してしまった」
ウレタン塗装が劣化してしまい、上記のような悩みを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、木材のウレタン塗装が経年劣化する原因と、劣化するとどうなるかを説明し、劣化した時の補修方法についても解説します。
ウレタン塗料の経年劣化に対する知識が付き、対策ができるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
1.木材のウレタン塗装が経年劣化する原因
原因1:紫外線による劣化
原因2:温度変化による劣化
原因3:湿度の影響による劣化
2.木材のウレタン塗装の耐用年数
3.木材のウレタン塗装の補修方法
3-1:軽度の傷や凹みの補修方法
3-2:劣化したウレタン塗装の再塗装方法
4.プロに依頼した場合の費用相場
5.木材のウレタン塗装の日常的なメンテナンス方法
6.まとめ
木材のウレタン塗装が経年劣化する原因
木材のウレタン塗装が経年劣化する原因について、3つ解説していきます。
原因1:紫外線による劣化
木材のウレタン塗装が劣化する原因の1つ目は、紫外線です。紫外線は、塗膜のツヤの低下を招き、ウレタン塗料に含まれる油分に影響を与えて黄色に変色させます。
窓際などの日当たりのいい場所に設置された家具は、紫外線を浴びやすいので、劣化の速度がさらに速くなってしまいます。
また木質自体が紫外線によって日焼けをして変色してしまうこともあります。
塗料変色の対策として「非黄変タイプ」のウレタン塗料を選択すれば、黄変しにくくなりますので、DIYを検討している方は選択肢の一つとして知っておくと安心です。
原因2:温度変化による劣化
木材のウレタン塗装が経年劣化する原因2つ目は、温度変化による劣化です。夏場の高温時には、塗膜が柔らかくなって変形しやすくなり、冬場の低温状態では塗膜が硬化します。
また、木材も高温になると膨張し、低温になると収縮するので、塗膜に負荷がかかります。
このような温度変化で塗膜の伸縮が繰り返し続くと、塗膜に疲労が蓄積してひび割れ、剥がれといったトラブルが発生するのです。
原因3:湿度の影響による劣化
木材のウレタン塗装が経年劣化する原因3つ目は、湿度の影響による劣化です。
木材は湿度の変化に応じて膨張、収縮を繰り返しているのですが、湿度が高くなると木材は水分を吸収するため膨張し、湿度が低くなると水分を放出するため収縮します。
一方、ウレタン塗装もある程度の柔軟性はあるのですが、木材ほど柔軟ではないため、木材の膨張、収縮に徐々に耐えられなくなり、ひび割れや剥がれが発生するのです。
また、湿度が高い状態が続くと、塗膜の内部に水分が浸透していき、塗膜が白くなる「白化」が発生する可能性もあります。
木材のウレタン塗装の耐用年数
木材のウレタン塗装の耐用年数は以下の通りです。
| 室内使用の場合 | 10年〜15年 |
| 屋外使用の場合 | 5年〜10年 |
上記の耐用年数はあくまで目安です。
ウレタン塗料の種類(水性や油性など)や使用環境によって、ウレタン塗装の寿命は大きく変動します。
特に、日当たりのいい場所に置いておくと、紫外線の影響を受けてしまい、劣化が速くなります。
家具の配置に気を配ったり、後述する日常的なメンテナンスを実施したりすることで、耐用年数以上に使用できる場合もありますので、余裕のある方は使用環境の見直しや、日頃のメンテナンスを心がけましょう。
木材のウレタン塗装の補修方法
軽度の傷や凹みの補修方法やウレタン塗装の再塗装の方法を解説します。
状態によって補修方法が異なりますので、状況にあわせた補修方法を選択してください。
軽度の傷や凹みの補修方法
部分的な傷や凹みであれば、ホームセンターで販売しているペン型の補修剤やパテを使用して補修することが可能です。
【ペン型の補修剤の補修方法】
- 表面の汚れの清掃:中性洗剤を薄めて表面の汚れや油分を除去し、乾燥させる
- 傷にペン型の補修剤を塗る
- 十分に乾燥させる
【パテの補修方法】
- 中性洗剤を薄めて表面の汚れや油分を除去し、乾燥させる
- パテを使用して補修する
- はみ出たパテをヘラでそぎ落として平らにする
- 十分に乾燥させ、必要に応じてペン型の補修剤などで着色する
以上の方法であれば、DIYでも比較的簡単に補修できますが、広範囲の塗装の劣化や変色している場合は再塗装が必要です。
劣化したウレタン塗装の再塗装方法
ウレタン塗装が広範囲に渡って黄変していたり、ひび割れ、剥がれが発生している場合は、再塗装が必要です。
- 耐水ペーパーや電動サンダーを使用して古い塗膜を除去する
- 表面に傷、凹みがある場合はパテで補修し、平らにする
- 着色が必要な場合は、ステイン(着色剤)を塗布する
- スプレーガンまたは刷毛でウレタン塗装する。2~3回重ね塗りをしたあと、乾燥させて耐水ペーパーで研磨する
再塗装の範囲が広い場合、耐水ペーパーのみで塗膜を除去しようとすると膨大な時間がかかってしまうので、電動サンダーを使用して研磨すると作業を効率化できます。
ただし、電動サンダーは正しい方法で使用しないと、ケガのリスクもありますので、説明書をよく読んでから使用するようにしましょう。
また、剥離剤を使用して古い塗膜を除去する方法もありますが、剥離剤は人体に有害なので、取り扱いには十分注意してください。
プロに依頼した場合の費用相場
「再塗装する時間がない」「自分で再塗装する自信がない」といったような方は、プロに依頼する方法もあります。
プロに依頼した場合、再塗装の費用相場は以下の通りです。
【プロに依頼した場合の再塗装の費用相場】
| 家具の大きさ | 費用相場 |
|---|---|
| 小型家具(イスなど) | 1万5000円〜3万円 |
| 中型家具(テーブルなど) | 3万円〜5万円 |
| 大型家具(タンスなど) | 5万円〜15万円 |
費用の相場はあくまで目安で、家具の大きさや損傷具合によって、費用は大きく変動します。
また、家具を配送してもらう場合は配送料が発生しますし、自宅に来てもらって作業してもらう場合は出張費用が発生しますので、プロに依頼することを検討している方は、見積もりをお願いするところから始めましょう。
木材のウレタン塗装の日常的なメンテナンス方法
木材のウレタン塗装の耐用年数は先ほど解説しましたが、日々のメンテナンスによって寿命を延ばすことも可能です。
- 汚れは中性洗剤を含ませた布で拭き、乾拭きする
- 付着した水分は放置せず、乾いた布で拭き取る
- 直射日光を避け、紫外線の影響を軽減する
- 気温や湿度を適切に管理する
テーブルなどの家具についた水分を長時間放置すると、塗膜が水分を吸収してしまい、白化する可能性がありますので、すぐに乾いたタオルで拭き取ってください。
直射日光が当たる場所に家具がある場合は、配置を変えたり、カーテンを利用して紫外線から家具を守れば寿命を延ばすことができます。
湿度が高すぎたり、低すぎたりすると木材が収縮してしまい、ウレタン塗装に負荷がかかるので、除湿機や加湿器を利用して湿度を40〜60%に保つのがベストです。
また、ヒーターやエアコンなどが、温風が直接家具に当たってしまっても、木材や塗膜の伸縮が発生してしまうので、気を付けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、木材のウレタン塗装が経年劣化する原因と、劣化するとどうなるかを説明し、劣化した時の補修方法についても解説してきました。
最後にこの記事をまとめました。
- 木材のウレタン塗装は、紫外線や湿度、温度の変化によって経年劣化する
- ウレタン塗装が経年劣化すると、変色やひび割れ、剥がれが発生する
- 部分的な劣化や損傷であれば、補修剤で補修が可能
- 劣化したウレタン塗装は再塗装で対応できるが、自分でできない場合はプロに依頼する
- 家具の設置状況や日々のメンテナンスでウレタン塗装の寿命は伸ばせる
ウレタン塗装は木材の保護と美しさを引き立てる優れた塗料ですが、経年劣化は避けられません。
しかし、正しい対応をすればウレタン塗装の寿命は延ばせますし、補修や再塗装も可能です。
ぜひこの記事を参考に、大切な木製家具を長く使ってください。
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