
蓄光粉の正しい使い方|エポキシや塗料・インクの混ぜ方を素材別に解説
夜釣り用のルアーやフィギュア、ハンドメイド作品を暗闇で美しく光るようにしたいなら、塗料に蓄光粉を加えるのがおすすめです。
蓄光粉はレジンや塗料、インクなどに混ぜるだけで、誰でも簡単に自然発光アイテムを作ることができます。
しかし、いざ使うとダマになって上手く混ざらなかったりムラができたりと、うまく使いこなせず悩んでしまうケースは少なくありません。
この記事ではエポキシレジン、インク、各種塗料、樹脂など、素材別の正しい混ぜ方や施工手順などを詳しく解説します。
目次
1.蓄光粉は透明なベースに混ぜるのが大原則
2.蓄光粉の寿命と劣化を防ぐための基礎知識
3.【エポキシレジン・UVレジン】蓄光粉の混ぜ方・施工手順
4.【アクリル・ウレタン等】蓄光粉の混ぜ方・施工手順
5.【インク・絵の具】蓄光粉の混ぜ方・施工手順
6.【樹脂粘度・プラスチック成型】蓄光粉の混ぜ方・施工手順
7.まとめ
蓄光粉は透明なベースに混ぜるのが大原則

| 混ぜても良い透明媒体(クリアー素材) | 混ぜてはいけない媒体(不透明・水単体) |
| ・クリアー塗料(アクリル、ウレタンなど)
・レジン液(エポキシレジン、UVレジン) ・透明インク、メディウム(絵の具用固着剤) ・透明樹脂粘土、クリア成形用樹脂 |
・色付きの不透明な塗料(白、黒、赤など)
・一般的な色付き絵の具、カラーインク ・水そのもの(定着成分がない液体) ・通常の白い軽量粘土、不透明な粘土 |
光を遮らないためにクリアーを選ぶ
蓄光粉が暗闇で光るためには、太陽光やUVライトなどの光を吸収する「蓄光時」と、蓄えたエネルギーを放出する「発光時」の両方で、光の通り道が確保されている必要があります。
例えば不透明な白や黒などの色付き塗料に蓄光粉を直接混ぜるた、塗料に含まれる顔料が蓄光粉の表面を覆い隠してしまい、蓄光や発光ができず全く発光しません。
そのため蓄光粉を混ぜる際には、必ずクリアー(不純物のない)素材を選択してください。
色を付けたい場合も、蓄光粉の発光を邪魔しない透明度の高いクリアカラーをごく少量組み合わせる、または下地側に着色を施すのが、蓄光塗装の基本テクニックです。
蓄光粉そのものは水に溶けない性質である
蓄光粉は粉末状のため、塗料として使用するためには何らかの素材に溶かして混ぜ合わせる必要があります。
「粉末を溶かす」というキーワードで思い浮かぶのは「水」ですが、蓄光粉は水には一切溶けません。
なぜなら蓄光粉は、主にアルミン酸ストロンチウムなどの非常に細かな石の粒子(鉱物)だからです。
そのため蓄光粉を水に入れてかき混ぜても、塩や砂糖のように溶解することはなく、時間がたてば容器の底に沈殿してしまいます。
さらに水単体には定着成分(接着力)がないため、乾かしても粉だけがぽろぽろと剥がれ落ちてしまいます。
このような理由から工作などで蓄光粉を使用する際は、水単体ではなく、必ずメディウムや透明な塗料など固着力、樹脂分のある透明な液体に混ぜ合わせるようにしてください。
蓄光粉の寿命と劣化を防ぐための基礎知識

蓄光塗料を塗った作品を長く且つ美しく光らせるためには、蓄光粉本体の耐久性と、それを包む素材の寿命について理解する必要があります。
蓄光粉と混ぜる素材は、耐用年数だけでなく劣化の原因も異なるため、その対策方法もそれぞれ異なります。
| 比較項目 | 蓄光粉の寿命 | 混ぜる素材(ベース媒体)の寿命 |
| 耐用年数 | 半永久的(劣化しない) | 種類によって異なる(1年~数年程度で劣化が始まる) |
| 劣化の原因 | 特になし | 紫外線による黄変、硬化による脆化(ぜいか)、風雨による剥がれ |
| 対策 | 信頼できるメーカーの高品質な蓄光粉を選ぶ | 耐UV性の高い高品質なクリアーレジンやウレタン塗料を選ぶ |
混ぜる媒体の紫外線劣化に注意
高品質な蓄光粉は、物理的に破壊されない限り機能が衰えることはありません。
そのため光の充放電を何千回、何万回と繰り返しても、基本的に半永久的に使用し続けることができます。
しかし、「せっかく蓄光粉で作品を作ったのに数か月で光らなくなった」というトラブルが起こることがあります。
こうしたトラブルのほとんどは、蓄光粉に原因があるわけではありません。その多くは、混ぜ合わせた媒体(レジンや塗料)の劣化に原因があるのです。
安価なホビー用レジンやアクリルクリアー塗料は、紫外線に長期間さらされると黄変やひび割れによる剥がれが起きたりします。
特にベース素材が黄色く濁ると蓄光するための光も自ら発光する光も遮られるため、輝度が著しく低下します。
【エポキシレジン・UVレジン】蓄光粉の混ぜ方・施工手順

ハンドメイドアクセサリーやウッドレジンなどの工作で最も使われるエポキシレジン・UVレジンは、透明度が高いため、蓄光粉との相性が抜群です。
| 準備するもの | レジン液、蓄光粉、調色カップ、平らな攪拌棒、UVライト(UVレジンの場合) |
| 使い方の基本 | 気泡が入らないよう、一定方向にゆっくりと撹拌して馴染ませる |
| 重要注意点 | レジン液が硬化する前に蓄光粉が底に沈殿するのを防ぐ対策が必須 |
気泡が入らないよう一定方向にゆっくり混ぜる
レジン液は、主剤と硬化剤を既定の比率で計量したものを一度しっかりを混ぜ合わせて作ります。
蓄光粉と混ぜる際には、着色カップに入ったレジン液に対して、蓄光粉を少量ずつ振りかけるように投入するのがポイントです。
攪拌する際は、平らな攪拌棒を使ってカップの底をこするように同じ方向でゆっくりと円を描くようにします。
個人的には使い捨ての割りばしを使うことが多いです。
混ぜ終わって数分置くと表面に気泡が浮き上がってくるので、エンボスヒーターなどで軽く温めて気泡を抜きましょう。
気泡が抜け終わったら型に流し込み、UVレジンはUVライト、エポキシレジンは常温で硬化させます。
塗った直後の気泡飛ばしは、ライターやアルコールランプなどを使って軽く炙ると気泡は抜けます。
沈殿による発光ムラと厚みに注意
蓄光粉は比重が重いため、粘度の低いレジン液に混ぜて放置すると、完全に硬化する前にすべての粉が底(下側)へと沈み込んでしまいます。
この状態で塗ると、裏側だけが強く光り「発光ムラ」が高確率で発生します。
そこでUVレジンの場合は、3層構造で仕上げるのがおすすめです。
一気にすべてを型に流し込むと発光ムラが起きるため、最初に透明なレジン層、その上に蓄光粉を多く混ぜた薄い層、最後に透明なレジン層のように、層を積み重ねるようにしましょう。
エポキシレジン(2液性)の場合は、粘度が高いため蓄光粉が沈殿することはありませんが、均等の厚みで塗りこむことが重要となってきます。
【アクリル・ウレタン等】蓄光粉の混ぜ方・施工手順

夜釣り用のルアー、プラモデル、DIYの木部・金属への塗装など、エアブラシや筆などを使って塗る場合は「クリアー塗料」に混ぜて使用するのがおすすめです。
| 準備するもの | 透明な塗料(クリアー塗料)、専用の薄め液、攪拌容器、下地用の白塗料 |
| 使い方の基本 | 直接塗料に入れず、一度薄め液で粉を完全にペースト状にしてから塗料に混ぜる |
| 重要注意点 | 色付き塗料には混ぜず、下地を完全な白にしておくこと |
薄め液で先になじませてから塗料と混ぜる
アクリル・ウレタンなどに蓄光粉を混ぜる場合は、あらかじめ使用する蓄光粉を調色皿に取り出しておきます。
そのうえで塗料用の専用薄め液を数滴加え、筆で練るようにして混ぜ合わせてください。
粉が液体になじみペースト状になるまで完全にダマをつぶしたら、本液であるクリアー塗料の容器に移して、全体が均一になるまで十分に攪拌します。
塗装の際はエアブラシのカップや筆塗り用の塗料皿に移しますが、この際も蓄光粉は急速に底に沈んでいくため、こまめに容器を振る、あるいはかき混ぜる動作を徹底しましょう。
必ず透明塗料を使用し、下地は白にする
塗装する前の準備として、光を反射するベースを白であらかじめきれいに塗装することが重要です。
黒のような光を吸収してしまう色目の上から蓄光塗装すると下地の黒が光を吸収してしまい、発光光力は極端に落ちてしまいます。
蓄光粉は粉自体が自然に発光しますが、光量は決して無限ではありません。
塗装する対象物の色が暗い色(黒、赤、青など)の濃い色の場合、蓄光粉が下側に向けて放った光はすべて下地に吸収され消えてしまいます。
しかしベースが白であれば、下地が鏡の役目を果たし、光を前方へ強く反射します。
このように吸収による光のロスをなくし、発光時の輝度を劇的に向上させましょう。
【インク・絵の具】蓄光粉の混ぜ方・施工手順

イラストや紙・布への簡易的ステンシル工作、ホビー工作などでは、アクリル絵の具や透明なインク、DIY用のコーティング剤などに混ぜて使用するのが基本です。
| 準備するもの | 透明な絵の具用メディウム(定着剤)、蓄光粉、パレット、水(筆洗用のみ) |
| 使い方の基本 | アクリル用のグロスメディウムなどに蓄光粉を少量ずつ加え、絵の具を練るように合わせる |
| 重要注意点 | 水だけで薄めることは厳禁 |
定着剤をベースに均一に分散させる
アクリル絵の具に混ぜる場合は、グロスメディウム(顔料が入っていない透明な固着剤)やマットメディウム(つや消し)、シルクスクリーン用の透明バインダーなどを用意します。
練り合わせる際にはパレットの上にメディウムを適量出し、その横に蓄光粉を置きます。
その後混ぜ合わせますが、一度に粉を混ぜ合わせるとダマができるため、必ず少量ずつ粉をメディウムに巻き込みながらペースト状になるまで練り合わせましょう。
均一に混ざり合ったら筆やスポンジなどを使って塗布し、完全に乾燥すると、蓄光粉の粒だけが表面に固着して発光するようになります。
水だけでの希釈はNG
蓄光粉を絵の具感覚で水だけで薄めて使うのは、絶対にやめましょう。
水性絵の具やアクリル絵の具には接着剤の役割を果たすアクリル樹脂が含まれていますが、水で薄めすぎると、この成分が極端に薄まってしまいます。
この状態で重たい蓄光粉を混ぜて塗布しても、紙や布に蓄光粉をとどめておく接着力が完全に失われているため、乾燥すると指で触っただけで砂のようにぽろぽろと剥がれ落ちます。
水性素材の場合も水の希釈は最小限にとどめ、必ずメディウムやクリアーペーストを主成分とした固着剤をベースに使用しましょう。
【樹脂粘土・プラスチック成型】蓄光粉の混ぜ方・施工手順

フィギュアやカスタムパーツの自作、工作粘土などで使用する場合は、直接練り物の中に蓄光粉を練り込む方法がおすすめです。
| 準備するもの | 透明度の高い樹脂粘土(またはクリア成形用樹脂)、手袋、シリコンマット |
| 使い方の基本 | 粘度を平らに伸ばし、中央に粉を置いて包み込むようにしながら全体が均一になるまで練り込む |
| 重要注意点 | 一般的な軽量粘土(白い粘度)は光を遮断するため、必ず透明粘土を使用する |
透明感のある素材をムラなく練り込む
使用する透明樹脂粘土さ、よく捏ねて柔らかくし、平らなシート状に伸ばしておきます。
次に伸ばした粘土の中央に蓄光粉を置き、粉が周囲に飛び散らないよう、四隅を折りたたんで完全に粉を包み込みます。
ここからが本格的な混ぜ込み作業で、粘土を「押しつぶす」「引き伸ばす」「折りたたむ」を何度も繰り返し、粉を粘土全体へ均一に分散させましょう。
全体が均一に混ざったら造形し、粘土の規定通りに自然乾燥させるまたはオーブンなどで加熱して硬化させれば完成です。
発光のためには透明粘土が必須
粘土で蓄光作品を作る際には、乾燥・硬化後に透明(半透明)になる樹脂粘土や透明プラスチック粘土を使用してください。
一般的に100均ショップなどで販売されている白い軽量粘土やカラー小麦粘土などは、素材自体に光を通さない不透明な顔料が大量に含まれています。
そのためこうした不透明な粘度に蓄光粉を大量に練り込んでも、粘土の中心部に埋まった蓄光粉には光が一切届きません。
わずかに表面に露出した粒子がまばらに光りますが、全体はぼんやりとした発光すらしないため、不透明な粘土の使用は厳禁です。
まとめ|
いかがでしたでしょうか?
この記事ではエポキシレジン、インク、各種塗料、樹脂など、素材別の正しい混ぜ方や施工手順などを詳しく解説してきました。
美しく発光する作品は、高品質な蓄光粉と専用塗料を正しい手順で混ぜ合わせることで再現することができます。
混ぜ合わせるクリアー塗料やコーティング剤を高品質なものに変えれば、DIYやハンドメイドでもプロのように美しく仕上げられます。
なお、おもしろ塗装工房では高輝度で残光時間が長い高品質な蓄光粉から、扱いやすい専用薄め液・着色サポートツールまで、幅広く取り揃えています。
ご希望の方は、お気軽にご相談ください。
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