ヘッドライトの磨き方|耐水ペーパーの番手使い分けとコンパウンドの正しい使い方

愛車の手入れをこまめにやっていてもヘッドライトが黄ばんでいると、車全体が古く見えてしまいがちです。

応急処置としてカー用品店などで購入できる簡易クリーナーがありますが、実際に使用しても十分な効果が得られなかったというケースは少なくありません。

そこで自分の手で新車のような輝きを取り戻したいと考えているDIY派の方に向けて、本格的なヘッドライトの磨き方を解説します。

この記事では、耐水ペーパーの番手の使い方とコンパウンドの正しい使い方を徹底的に解説するため、初心者でも失敗したくないDIY派は必読です。

目次

1.【ヘッドライト黄ばみ】原因の概要
2.ヘッドライトを磨くために必要な道具の選び方
3.ヘッドライト磨きの下地処理とマスキング
4.ヘッドライトの耐水ペーパーによる水研ぎ手順
5.コンパウンドの正しい使い方
6.さらに耐久性を高めるヒント
7.まとめ

【ヘッドライト黄ばみ】原因の概要

ヘッドライトの素材には、ほとんどがポリカーボネートを使用しています。

ポリカーボネートはプラスチック素材のため軽くて衝撃に強いのですが、紫外線や太陽熱、飛び石などの微細な傷には弱いです。

そのため新車時には表面に保護コーティングが塗布されていますが、数年経つと保護コーティングは紫外線によって劣化し、剥がれてしまいます。

保護層を失ったポリカーボネートは紫外線や太陽熱によって変色し、やがて黄ばみとなります。

このように黄ばみは単なる汚れではないため、表面の劣化層を削り落とさなければ根本的な解決とならない点が厄介です。

ヘッドライトを磨くために必要な道具の選び方

DIYでも仕上がりの良さを求めるのであれば、正しい道具選びが必須です。

特に作業の肝となる耐水ペーパーとコンパウンドは、手磨きに適したものを選ぶ必要があります。

耐水ペーパー(サンドペーパー)の選び方

表面の劣化層を物理的に削り落とすには、紙やすりが欠かせません。ヘッドライト磨きでは一般的な紙やすりではなく、水にぬらして使う耐水ペーパーを選ぶのが重要です。

耐水ペーパーは水を使って研磨するため、削り粉がペーパーの目に詰まるのを防ぎ、ヘッドライト表面に余計な傷がつくのを防止します。

まず初めに、耐水ペーパーの目は「数字が小さいほど粗く、大きいほど細かい」と覚えてください。

そして深い黄ばみを落とすための粗い番手から、コンパウンドへつなぐための細かい番手まで、作業に合わせて番手を使い分けることが重要です。

そのため最低限番手は、「#800」「#1000」「#1500」「#2000 」の4種類を、セットで揃えるようにしましょう。

コンパウンド(研磨剤)の選び方

耐水ペーパーでついた微細な傷を消し去り、透明な状態に戻すには、コンパウンド(研磨剤)を使用して、ポリカーボネートの表面を滑らかにする必要があります。

コンパウンドにはチューブに入ったペーストタイプがありますが、初心者は伸びが良く均一に広がる液体コンパウンドがおすすめです。

コンパウンドは、作業工程に合わせて「細目」「極細」「超微粒子(または鏡面仕上げ用」の3種類を準備しましょう。

なお、小分けにされたトライアルセットのような商品もあるので、費用を抑えたい場合は3種類がセットになったものを選ぶのが良いでしょう。

ヘッドライト磨きの下地処理とマスキング

磨きの作業の前に行う下地処理とマスキングは、手を抜かず徹底的に行ってください。ここでの作業を怠ると、ヘッドライトだけでなくボディにも取り返しのつかない傷をつけてしまう恐れがあります。

【下地処理】洗車で完全に汚れを落とす

洗車では、「完全に汚れを落とすこと」に注力してください。ヘッドライトとその周辺を水洗いしますが、表面に付着した砂やホコリ、虫の死骸、泥なども完全に洗い流しましょう。

万が一表面に目に見えない砂粒が残った状態で耐水ペーパーやコンパウンドで研磨すると、砂粒を引きずってヘッドライトに致命的なキズをつけてしまいます。

念入りに洗浄した後は、きれいなクロスで水分を完全に拭き取ってください。

マスキング】塗装面を徹底ガード

マスキングは、ヘッドライト周辺にあるボンネット・バンパー・フェンダーの塗装面を保護するために行います。

テープはヘッドライトのゴムモールや隙間のキワを狙って、隙間なく貼っていきましょう。

なお貼る際にテープを2重、3重に重ねて幅広にガードすると、万が一手が滑ってしまってもボディにキズが付かなくなります。

特にボンネットの先端やバンパーの角は耐水ペーパーが当たりやすいため、入念にカバーしておくのがおすすめです。

ヘッドライトの耐水ペーパーによる水研ぎ手順

番手
(粗さ)
磨く方向(動かし方) 作業完了の目安
#800
(初期研磨)
横方向
直線往復)
削り汁の色が黄色から白に変わったとき
#1000
(キズ消し:粗)
縦方向
(#800と交差)
#800でついた横方向の傷が見えなくなったとき
#1500
(キズ消し:微細)
横方向
(#800と同方向)
#1000でついた縦方向の傷が見えなくなったとき
#2000
(最終下地)
縦方向
(優しく研磨)
水拭き後にうっすらとライトの内部が透けて見える程度の、滑らかな曇りガラス状になったとき

【#800】劣化した初期の黄ばみを削り落とす

ゴムに耐水ペーパーを巻き、霧吹きで水をかけながら「横方向」に一定の力で往復させます。磨き初めは黄色いどろどろとした液体があふれ出てきますが、これは削り落とされた古い劣化層がとれている証拠です。

そのため、磨き続けながら出て来る液体が、黄色から白に変わるタイミングが、作業完了の目安になります。

色がわかりにくい場合は一度水をふき取ってみて、ヘッドライト全体がムラなく均一に白く曇った状態であれば問題ありません。

【#1000~#1500】粗い傷を消し目をかくする

#800で付けたキズを徐々に細かくしていくために、#1000と#1500を使い分けていきます。

#1000は縦方向(#800と交差する方向)に動かすことで、前につけた横キズが消えたかどうかが目視で確認出来るようになります。次に#1500で横方向(#800と同じ方向)に動かして、全体を均一に磨き上げていきましょう。

それぞれの作業は霧吹きで削り粉を洗い流し、光にあてながら前の番手の傷が残っていないことを確認しながら進めるのがポイントです。

【#2000】最終仕上げ

耐水ペーパーによる磨き作業の仕上げは、最も目の細かな#2000を使用します。磨く方向は「縦方向」で、これまでの番手よりも少し力を抜きながら、表面を滑らかに整えるイメージで優しく磨きます。

水で洗い流したあと完全に拭き取ってから状態を確認しますが、うっすらとライトの内部が透けて見える程度の曇りガラス状になっていれば、作業は完了です。

コンパウンドの正しい使い方

工程・種類 主な目的 力加減の目安 クロスの使い方
細目
(または中目)
#2000のペーパーキズを消し、大まかな曇りを取って透明感を出す 少し力をかけながら、縦・横に直線的に磨く きれいなクロスまたは専用スポンジを使用
極細 細目では消しきれない、うっすらとした磨き跡を消し去る 少し力を抜いて、優しく直線的に磨く 完全に新しいクロスに変える
超微粒子
(鏡面仕上げ用)
プラスチック表面を完全に鏡面化させ、新車のようなツヤと透明感を出す 撫でるような優しい力で、滑らせるように磨く 新しいクロスに変える
仕上げ
(コーティング)
紫外線や熱から長期間ヘッドライトを守り、黄ばみの再発を防止する 取扱説明書の指示に従い、ムラなく表面に塗布する 完全に硬化するまで水に濡らさないようにする

【細目】透明感を一気に復活させる

液体コンパウンドの細目をクロスに適量取り、少し力をかけながら、縦・横に直線的に磨いていきます。細目コンパウンドは、耐水ペーパー#2000で付けた目に見えない微細なキズをカットするのが目的です。

そのため全体の曇りが大まかに取れるまで、しっかりと磨き上げていきましょう。

【極細】曇りを除去しクリアな視界にする

コンパウンドの成分が混ざると研磨効果が落ちてしまうため、細目で使用したクロスは使わず、新しいクロスで極細コンパウンドを取ります。

磨く際は細目よりもやや力を抜くのがポイントで、レンズの向こう側がくっきりとクリアに見えるまで優しく磨いていきます。

【超微粒子】鏡面光沢仕上げ

コンパウンドの仕上げとして、超微粒子コンパウンドを新しいクロスに少量馴染ませ、撫でるような優しい力加減で磨き上げます。

ポリカーボネートの表面が完全に鏡面化し、美しいツヤと透明感が復活するまで磨いたら、残ったコンパウンドの成分をきれいなクロスで完全に拭き取りましょう。

【仕上げ】保護コーティングで保護層を形成

超微粒子コンパウンドで復活したツヤと透明感も、そのままの状態で放置すれば、紫外線にさらされ数か月で以前よりひどい黄ばみが発生します。

そのため、コンパウンドでの研磨作業が終了したら、ヘッドライト用ガラスコーティング剤などで保護膜を作ります。

塗布の方法は購入したコーティング剤の取扱説明書の指示に従うのが鉄則ですが、ムラなく表面に塗布するのが重要です。なお施工後、完全に硬化するまでは水に濡らさないようにしましょう。

さらに耐久性を高めるヒント

耐水ペーパーとコンパウンドで研磨した後コーティングを施す手磨きは、初心者でも失敗が少なく手軽にできる方法です。しかし、市販のコーティング剤の耐久性は一般的に半年~1年程度のため、長期間効果を維持することはできません。

耐久性を高めるには、コーティング剤のほかにもウレタンクリアー塗装やヘッドライトスチーマーという方法があります。

ウレタンクリアー塗装

ウレタンクリアー塗装とは、自動車のボディ塗装と同じ強固なウレタンクリア塗料をヘッドライト表面に吹き付ける方法です。耐久性は3年~5年と非常に長く、深みのある光沢が持続するのがウレタンクリア塗装のメリットです。

しかし、ウレタンクリア塗料はスプレーによる塗装が必須のため、スプレー塗装技術が必要になります。

さらに万が一失敗した場合には塗膜を専用剤で剥離してから、再度やり直さなければならないため、DIYではやや難易度が高いです。

ヘッドライトスチーマー

近年DIYでも話題となっているヘッドライトスチーマーは、ジクロロメタンなどを主成分とする特殊溶剤を専用のカップで熱し、蒸気をヘッドライト表面にあてる施工法です。

ヘッドライトスチーマーは、ペーパーで下地処理したポリカーボネートを蒸気の熱と溶剤によって微細に溶かし、表面を滑らかにします。

そのため、コンパウンドで磨く工程を踏むことなく、短時間で新車のような透明感が戻ります。溶剤は有毒性があるため、防毒マスクを使用するなど取り扱いが難しいです。

まとめ|

いかがでしたでしょうか?
この記事では、耐水ペーパーの番手の使い方とコンパウンドの正しい使い方を徹底的に解説してきました。

ヘッドライトの黄ばみ取りは一見すると難しい作業のように思えますが、正しい道具選びと番手のルールを守れば、DIYでも驚くほど美しい輝きを取り戻すことができます。

なお「ウレタンクリア塗装やヘッドライトスチーマーでさらに耐久性を高めたい」という場合は、お気軽におもしろ塗装工房にご相談ください。

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