
車のDIY塗装|車検の疑問から失敗しない手順・プロとの料金差まで徹底解説
車の傷補修や全体の色を変えたい場合のコストを抑える方法として、車のDIY塗装があります。
車のDIY塗装では、塗装後の車が車検に通るのか、あるいは作業で失敗するのではないかなど、DIYだからこそ不安を抱くケースが少なくありません。
とはいえ正しい手順と注意点を守れば、車を自分で塗装をすることは十分に可能です。
この記事では、DIY塗装で車検を通すための必須知識をはじめ、失敗を防ぐ塗装作業の手順、業者に依頼した場合の料金や手間の違いについて分かりやすく解説します。
目次
1.DIY塗装の車は車検に通る?知っておきべき法律と注意点
2.自分で色を変えるメリットとデメリット
3.DIY塗装とプロの料金・手間の比較
4.初心者でも失敗しない車のDIY塗装の手順
5.初心者塗装でよくある失敗例と回避策
6.まとめ
DIY塗装の車は車検に通る?知っておくべき法律と注意点

DIY塗装で費用を抑えられたとしても、車検に通らない塗装ではせっかくの努力も無駄になってしまいます。
そんな時には車の塗装に関する法律を知っておくことで、車検の不安は解消します。
DIY塗装でも車検は問題なく通る
「自分で車を塗装したら車検に落ちるのではないか」と不安になるかもしれませんが、結論から言えば、DIYで塗装した車でも車検は問題なく通ります。
日本の法律において、車の塗装を「プロが塗ったか」「アマチュアが塗ったか」で規制するルールはありません。
全塗装(元のボディ色から全く違う色に塗装しなおすこと)を規制するルールもありありませんし、構造変更などの法的手続きも原則不要です。
自分で塗装した部分に多少の凹凸や色ムラがあっても、そのことが原因で車検が通らないことはありません。
ただし塗装作業中にうっかりミスによって保安基準に抵触し、車検に通らなくなるケースがあります。
灯火類への塗装はNG
ヘッドライト・テールランプ・ウインカーなどの灯火類は、光量や照射される色が厳格に定められています。
そのため缶スプレーの霧が誤ってライトに吹き飛んで曇ってしまったり、レンズにスモーク塗装をしてドレスアップした場合は、光量不足となり車検に落ちます。
ガラス面への塗装は車検に通らない
運転席・助手席のサイドガラスやフロントガラスは、安全確保のために「可視光線透過率70%以上」にしなければなりません。
そのためプロの現場でも塗装前には、徹底したマスキング(養生)が施されます。
しかしDIY塗装初心者はマスキングが甘くなりやすく、塗装中に塗料がガラス面に飛び散りやすいです。
飛び散った塗料をすべてきれいに取り除けば問題ないのですが、万が一付着したまま車検に出してしまうと、視界不良とみなされ不合格になるでしょう。
全塗装でも構造変更手続きは原則不要
全塗装で元の車の色からガラッと変えた場合でも、構造変更手続きは原則不要です。
普通車の車検証には車体の色を記載する欄がないため、車全体の色を変更しても法的な手続きは必要ないのです。
ただし外装に大きなパーツを追加する、車のサイズや重量を大きく変えるなどのカスタムを同時に行った場合は、構造変更手続きが必要になります。
自分で色を変えるメリットとデメリット

車の全塗装を業者に依頼するならば、依頼の内容によって幅があるとはいえ、相応の予算を用意しなければなりません。
とはいえ自分で塗るか、業者に依頼するかの判断を、費用の安さのみで判断するのは危険です。
施工後にリスクを回避することは難しいですから、事前に自分で色を変えるメリット・デメリットを比較検討する必要があります。
【メリット】圧倒的なコストパフォーマンス
車のDIY塗装における最大のメリットは、費用を大幅に抑えられる点です。
例えば業者に依頼すれば数万~数十万円かかる作業であっても、DIY塗装ならば、かかる費用は道具の準備と材料費の実費のみです。
特に範囲の小さな部分補修であれば数千円の缶スプレーやタッチペンでも可能なので、コスト重視でもリスクを避けて挑戦ができます。
また自分の手で車の色を変えていくことによって、愛着がより一層深まるというメリットもあります。
【デメリット】クオリティ・時間・環境の壁
仕上がりのクオリティ、作業時間、さらには環境面でのハードルが非常に高い点が、DIY塗装のデメリットです。
業者には専用ブースがあるため、ゴミやホコリが付着する心配がありません。
しかし一般的なガレージや屋外での作業となるDIY塗装では、風などによってゴミ・ホコリが塗面に付着しやすくなります。
また液だれやムラのないきれいな塗面に仕上げるには、高度な塗装技術が必要です。
塗装の前には洗車や研磨、マスキングなどの下処理が必要ですが、これらにも膨大な時間と手間がかかります。
さらに車用の塗料は独特なにおいがするため、近隣へのにおいの配慮も十分に行う必要があります。
DIY塗装とプロの料金・手間の比較

コストパフォーマンスの良さがDIY塗装最大の魅力ですが、リアルな費用の内訳をみると必ずしも安いとは限りません。
とはいえ業者に依頼する場合も、依頼先によって価格が大きく変動するため、コストを重視する場合はプロの料金相場を確認してから行うのがおすすめです。
塗装にかかる費用の相場比較
| 塗装の種類 | DIY塗装(材料実費) | プロに依頼 |
| 部分塗装 | 2000円~5000円 | 20,000円~50,000円 |
| 全塗装 | 30,000円~70,000円 | 200,000円~700,000万円以上 |
塗装費用は部分塗装と全塗装で大きく変わりますが、DIYとプロでも差は大きいです。
例えば小さな傷を修復するだけの部分補修であれば、DIY塗装なら実費のみなので2000~5000円しかかかりません。
さらに車全体に塗装する全塗装の場合も、DIY塗装ならば材料の実費として3万~7万円です。
しかし業者に依頼した場合は、部分塗装でも2万~5万円、全塗装の場合は20万~70万円以上かかります。
DIY塗装でかかるリアルな費用の内訳
DIY塗装でまず必要となるのが車両用缶スプレー(カラー、クリア、下地用プラサフ)で、全塗装の場合は各10本以上必要です。
そのため車両用缶スプレーだけで、3万~5万円かかります。
さらに下地作りに使う脱脂用シリコンオフ、耐水サンドペーパー、塗料の飛散防止に使うマスキングテープや養生シートなどの消耗品類で、約5000~1万円かかります。
そのためこれら初期費用の合計である3万~7万円が、車のDIY塗装でかかるリアルな費用の内訳です。
プロの料金には「作業環境と技術」の代価が加わる
DIY塗装なら数万円で可能な全塗装が業者に依頼すると数十万円以上と高額になるのは、完璧に仕上げるための環境と高度な塗装技術に対する対価が含まれているからです。
プロは専用の塗装ブースを持っており、そこではゴミやホコリを完全にシャットアウトするだけでなく、温度・湿度を徹底的に管理して塗装・乾燥に適した環境を準備します。
さらにミリ単位での調色技術や塗料本来のツヤを引き出すスプレーテクニック・職人技によって、新車同様で美しい耐久性のある仕上がりを実現します。
初心者でも失敗しない車のDIY塗装の手順

車のDIY塗装を成功させるには、正しい道具の準備と、正しい手順で一つずつこなしていく根気が欠かせません。特に、塗装は下地の出来によって美しさの8割が決まるといわれており、実際の塗装作業以上に事前の準備が重要になります。
ここでは、初めて塗装する方向けに最初の第一歩を解説していますが、以下の記事では、実際の様々な塗装事例をご紹介していますので、
ぜひ、そちらも合わせてご覧ください。
初心者でも揃えるべき塗装道具
DIY塗装では、専用の道具を正しくそろえることによって失敗を防ぐことができます。
塗装するものや素材によって塗料や、塗装機器をそろえる必要があります、中でも必ず揃えなければいけないのが、以下です。
・プラサフ(下地用)
・カラー缶スプレーやウレタンカラー(車体色)
・クリアスプレー(保護効果とツヤ出し)
さらに耐水サンドペーパー(塗料の密着性を高める)、シリコンオフ(脱脂用)、マスキングテープ・養生テープ(塗料飛散防止)、コンパウンド(仕上げ用研磨剤)を用意しておきましょう。
Step1:洗車
塗装する面に砂やホコリが付着していると、塗料と一緒に固まってしまい、ガタガタな仕上がりになります。
そこで、カラーチェンジの第一歩として、まずは車全体の汚れを洗い流し、洗車後はマイクロファイバークロスなどで水分を完全に拭き取ります。
Step2:脱脂(シリコンオフ)
ワックスに含まれる油も含め、油分は塗料剥がれの原因となります。
そこで見えない油分もすべて落とすために、塗面にシリコンオフをスプレーで塗布し、きれいな布で拭きます。
力を入れすぎず優しく拭き上げるのがポイントで、この作業によって塗料が車体にしっかりと密着する土台ができます。
Step3:足付け(サンディング)
塗料の食いつきをよくするためには、足付けが必須です。
使用するのは耐水サンドペーパーで、表面のツヤが消え白っぽくなるまで、均一に力をかけながら水研ぎしていきます。
Step4:プラサフの塗布
プラサフは、下塗りの「プライマー」と中塗りの「サフェーサー」の役割を1つにまとめた、重要な下地処理剤です。
缶スプレーを薄く何度も往復させながら、元の色が隠れるまで薄く均一に塗り重ねていきます。
Step5:カラー塗装
缶スプレーは、塗面から15cmほど離した状態で、平行に動かしていきましょう。
一度に厚塗りをするのではなく、薄く重ね塗りをするのがポイントです。
1回塗った後は10分~15分の乾燥時間をおき、2回目、3回目と塗り重ねていきます。
Step6:クリアー塗装
カラー塗装が乾いたら、クリアスプレーを塗って保護膜を作ります。
スプレーの動かし方はカラー塗装と同じく平行移動ですが、カラー塗装よりもややゆっくり動かすのがポイントです。
このスピード加減の調整によって、深みのある美しい光沢が出来上がります。
Step7:乾燥
クリア塗装後は、しっかりと乾燥時間をおいて完全に乾かします。
ゴミやホコリが付着しにくい場所に保管し、最低でも1週間以上自然乾燥させることで、塗料の膜がしっかりと硬化します。
Step8:ツヤ出し(コンパウンド)
完全に乾いた塗面には、表面にわずかな凹凸があります。この凹凸を「ゆず肌」といい、このままの状態では塗料本来のツヤは生まれません。
そこで、液体コンパウンドを使って塗面を優しく磨くのが「ツヤ出し」です。
ツヤ出しでは最初に粗目で磨き、極細、超微粒子の順で磨いていくことがポイントで、丁寧な研磨によってプロ並みの美しいツヤが生まれます。
初心者塗装でよくある失敗例と回避策

車のDIY塗装では、知識不足によるトラブルはつきものです。そこで代表的な失敗例と、それを防ぐプロの回避策を解説します。
塗料が垂れてしまった(液だれ問題)
スプレーした塗料が、垂れて固まってしまう現象が「液だれ」です。
主な原因は、「厚塗りしすぎている」「缶スプレーと塗面の距離が近すぎる」「乾燥時間が足りない状態で重ね塗りをする」です。
液だれ問題は、塗り方の基本を遵守することで回避できます。
スプレーと塗面の距離は20cm離すのが基本で、一度に厚塗りせず薄く塗り重ねるのが鉄則です。
塗り重ねる際には、必ず10分以上の乾燥時間を取りましょう。
表面がガサガサしてツヤがない(ゆず肌問題)
塗面にゆず(柑橘類)のようにぶつぶつと波打ってツヤが出ない状態を、「ゆず肌」といいます。
これらは、「缶スプレーを動かすスピードが速すぎる」「距離が遠すぎる」が原因です。
回避するためには、スプレーをややゆっくりと動かしていきます。
特にクリア塗装では、表面が濡れて見える程度を意識しましょう。なおガサガサが出てしまった際には、コンパウンドで表面をじっくり磨き上げれば、滑らかになります。
まとめ|
いかがでしたでしょうか?
この記事では、DIY塗装で車検を通すための必須知識をはじめ、失敗を防ぐ塗装作業の手順、業者に依頼した場合の料金や手間の違いについて分かりやすく解説してきました。
車の塗装には、コストパフォーマンスの良いDIYと、美しさと耐久性が両立したプロへの依頼があります。
どちらにも異なる魅力がありますから、予算、作業環境、理想の仕上がりから何を重視するかを最初に決めると、方法の選択が楽になります。
ご自分で挑戦したい方は、おもしろ塗装工房「塗り方から探す」の塗装するものを選択欄からお選びください。
塗装工程や・使用している塗料・混合比なども詳しく掲載されています。
是非参考になさってください。
なお道具選びやプロ仕様の塗料、失敗しないノウハウについて迷ったなら、お気軽におもしろ塗装工房へご相談ください。
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