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塗料の発色や隠ぺい性を決める「顔料」の成分とは?特徴や種類、染料との違いを解説

DIY塗装は初心者でも気軽に始められると人気ですが、好みの色だけで塗料を選ぶと多くの場合失敗します。

実は塗装の仕上がりや耐久性は「顔料」によって大きく左右されるため、顔料に注目して塗料選びをしなければ失敗してしまいます。顔料の性質を正しく理解すれば、用途に合わせて最適な塗料が選べるようになり、DIYのクオリティは劇的にアップします。

この記事では、塗装初心者の方に向けて「顔料」の基本成分や役割、染料との違いを分かりやすく解説します。

目次

1.塗料における顔料の役割とは
2.顔料の主な試絵分と用途
3.【顔料と染料】決定的な違い
4.有機顔料と無機顔料の特徴・メリット・デメリット
5.まとめ

塗料における顔料の役割とは

顔料とは、塗料容器のふたを開けると目に飛び込んでくる色鮮やかな液体の主成分です。

この顔料は「液体に色を付ける」役割以外にも、塗装した面を美しく仕上げ、長持ちさせるための重要な役割を担っています。ここでは、顔料の役割について詳しくご紹介していきます。

【発色】色を付ける

発色とは、塗料に狙い通りの色彩を与える役割のことをいいます。
顔料は微細な色の粉末なので、水や溶剤には溶けません。

しかし、その顔料が塗料中に均一に混ざり合うことによって、私たちの目には鮮やかな赤や青、落ち着いたブラウンやベージュといった「色」として映ります。

さらに顔料は種類や組み合わせ、配合量を変えることによって色のバリエーションを無限に作り出せるため、表現の幅も広がります。

【隠蔽性】下地を透けないようにする

隠蔽性とは、塗った場所の素の色や木目、キズなどを覆い隠す力のことを言います。顔料の粒子には光を吸収・反射しブロックする特長があるため、塗った場所の下地は透けず、きれいな一色に仕上がります。

例えば、濃茶い色の木材の上から真っ白なペンキを塗っても下地が透けないのは、塗料に含まれる顔料が優れた隠蔽性が発揮されるからです。

隠蔽性が弱ければ、下地が透けなくなるまで何度も重ね塗りをしなければなりません。そのため、隠蔽性の高い塗料を選べばDIYの作業効率が劇的に上がりますし、仕上がりの美しさも格段に良くなります。

【耐候性・耐久性】紫外線などから素材を守る

耐候性とは、屋外の紫外線や雨風、温度変化など自然環境に耐える強さのことで、耐久性とは摩耗・衝撃なども含めたもの自体の長持ち度を表す言葉です。

塗料における顔料は、素材の表面に、色が付いた強固なバリア膜を作る働きがあります。このバリア膜が破壊されず耐候性を発揮することによって、紫外線が素材の奥深くまで届くのを防ぎ、色あせが防止されます。

その結果、「素材本体の劣化や腐食などを防ぐ高度な耐久性につながる」というわけです。なお、屋外DIYでは、耐候性と耐久性の高さによって作品の寿命が大きく変わります。

顔料の主な成分と用途

塗料に使用されている顔料にはさまざまな成分があり、それぞれが異なる色と性質を持っています。
ここでは、DIY塗料で特に多く使われている4つの代表的な顔料の成分をご紹介しましょう。

成分名 主な色 特長と強み 苦手なこと 価格帯の目安 おすすめ・使いどころ
酸化チタン(無機顔料) ・圧倒的な隠蔽力

・紫外線に強く安全

特になし 標準的 白いペンキだけでなく、パステルカラーをきれいに発色させる下地としてDIYには必須の成分
カーボンブラック(無機顔料) ・深く美しい黒色

・紫外線を通さず超高耐侯

特になし 標準的 アイアン風塗装や男前インテリアなど、シックで高級感のあるタフな黒を表現するのに最適
酸化鉄(無機顔料) 赤・黄・茶・黒 ・安価で光や熱に強い

・サビを抑える効果

鮮やかな原色は出せない 安い ウッドデッキやトタン屋根など屋外で耐久性が求められる場所や、落ち着いたアースカラーに仕上げたい場合に便利
フタロシアニン系(有機顔料) 青・緑 ・濁りのない鮮烈な発色

・有機なのに光や熱に強い

原料としてやや高価 やや高い インテリアや雑貨、おもちゃのアクセントカラーとして、目を引く美しい青や緑を表現したい際におすすめ

 

酸化チタン

酸化チタンは、「白色顔料といえば酸化チタン」と呼ばれるほど有名な顔料です。
現在流通している白いペンキにはほぼ使われており、淡いパステルカラー塗料のベースにも使われています。

酸化チタンは光を非常に強く反射するため、下地を隠す隠蔽力の圧倒的な強さが最大の特長です。

さらに、紫外線に強く毒性を持たないため、室内DIYから屋外DIY(家の外壁塗装など)まで、安全かつ幅広く使うことができます。

カーボンブラック

カーボンブラックは、黒色の染料として欠かせない成分です。炭素の微粒子からできている顔料ですが、非常に着色力が強く、光をほぼすべて吸収します。

そのため、カーボンブラックは、単なる「黒」ではなく、深く美しい「黒」を表現することが可能です。

最大の強みとなる「圧倒的な耐候性の高さ」の秘密は、「紫外線を通さない」というカーボンブラックの特質にあります。

これによって光による劣化を防ぐため、屋外の鉄部・木部、自転車の塗装からタイヤの補強材まで、タフさが求められる場所の「黒」に数多く使われています。

酸化鉄

無機顔料の一つで、鉄が酸化することで出来る「サビ」から作られるのが、酸化鉄です。DIYにおいて「サビ」はネガティブな印象が多いですが、塗料の世界では安全かつ非常に優秀な成分として重宝されています。

サビには赤サビ由来の赤色(ベンガラ)や黄色、黒色などがあり、いずれもレンガやチョコレートのような優しいアースカラーになります。非常に安価で光や熱に強く、色褪せしにくいことも酸化鉄の特長です。

なお素材にサビが発生するのを抑える効果もあるため、サビ止め塗料の主成分として、屋外のトタン屋根や金属パーツなどの塗料に使われます。

フタロシアニン系

フタロシアニン系は、鮮やかな青や緑を表現する際に欠かせない有機顔料です。

人工的に合成された顔料で、クロロフィル(葉緑素)やヘモグロビンと非常によく似た頑丈な環状の化学構造を持っています。

一般的な有機顔料は太陽光や熱に弱いですが、フタロシアニン系は自然界の生命維持に深くかかわる構造を模しています。

そのことから光や熱、薬品に対して非常に強いことが、フタロシアニン系最大の特長です。タフさが強みであるフタロシアニン系は、幅広い場面で使われています。

高級車のボディ塗装にも使われますが、インテリアのアクセントになる鮮やかなDIY作品にも人気で、強さと美しさを両立したい場所・場面におすすめです。

【顔料と染料】決定的な違い

塗料の材料には、「顔料」のほかに「染料」もあります。この2つはどちらも色を付ける材料ですが、「水や溶剤に溶けるか・溶けないか」という決定的な違いがあります。

顔料の特長

顔料の分子は互いに強く結びつき大きな塊(粒子)を形成しているため、水の分子が隙間に入ってバラバラに分解することができません。

つまり液体の中に色の微粒子が浮いた状態で混ざるため、顔料は水や溶剤に溶けません。この状態で素材に塗ると粒子が表面に乗ったまま固まり、強固な塗膜を作ります。

こうしてできた塗膜は光を遮るため、下地を隠す力が強く、紫外線にさらされても色褪せしにくい特長があります。

染料の特長

染料の分子は水や油の分子と非常に相性が良い上に、互いを引き合う力が強いです。そのため、液体が加わると分子がバラバラに分かれて一体化するため、染料は「水や溶剤に溶ける材料」といえます。

水や溶剤と完全に一体化した染料は、繊維や木材の奥深くまで分子が染み込み、素材の内部から色を付けます。このような、性質から染料の色は透明感があり、素材の質感を生かした仕上がりにしたいときに最適です。

しかし紫外線によって分子の結合が破壊されやすいため、屋外に置くと比較的早く色あせてしまう弱点もあります。

塗料における使い分け方

「水に溶ける・溶けない」という決定的な違いに注目すると、使い分け方も非常にわかりやすいです。木目を生かしたナチュラルに仕上げたい場合は、染み込むタイプのステイン(主に染料)を選びます。

反対に家具の傷を隠したい、カラフルな色に変えたい、屋外の塗装部をしっかりと保護したい場合は、強固な膜で表面を覆うペンキ(顔料塗料)がおすすめです。

有機顔料と無機顔料の特長・メリット・デメリット

顔料は生成方法の違いによって、有機顔料と無機顔料に二分されます。
有機顔料は石油などから人工的に合成される顔料ですが、無機顔料は天然鉱物や金属から作られます。

そして有機顔料は圧倒的な色の鮮やかさを、無機顔料は圧倒的なタフという真逆の強みがあるため、顔料の特長とDIY作品との相性をしっかりと見極めなければなりません。

そこで塗料選びで失敗しないためにも、それぞれのメリット・デメリットに注目してみましょう。

有機顔料の特長・メリット・デメリット

有機顔料は炭素をふくむ化合物をベースに人工的に作られる顔料のため、目が覚めるほど鮮やかな原色を表現できるのが最大のメリットです。

色のバリエーションも無限にあるため、「色」を重視して塗料を選びたい際には有機顔料が良いでしょう。

しかし有機顔料は紫外線に弱いデメリットがあるため、DIY作品を屋外に出す、または屋外で使う場合は比較的早く色あせが起こります。

さらに光を透過しやすいため、隠蔽性(下地を隠す力)もやや弱い傾向があります。

無機顔料の特長・メリット・デメリット

比較項目 有機顔料 無機顔料
主な原料 炭素をふくむ化合物 自然界にある炭素をふくまない物質
最大の特長 圧倒的な色の鮮やかさ 圧倒的なタフさ
メリット ・目が覚めるほど鮮やかな原色が表現できる

・色のバリエーションが無限にある

・紫外線や雨風、熱に非常に強く、何年経ってもほとんど色褪せしない

・隠蔽性が抜群

デメリット ・紫外線に弱く、屋外だと比較的早く色あせる

・光を透過しやすいため、隠蔽性がやや弱い

・鮮やかな原色を作るのが苦手

・色のバリエーションも限定的

得意な色合い ビビットカラー、パステルカラー、蛍光色など レンガ色、オリーブ、ブラウン、グレーなどのアースカラー

無機顔料の原料は、鉱物や土、金属の酸化物(主にサビ)など、自然界にある炭素を含まない物質です。

そんな無機顔料は太陽光、雨風、熱に非常に強く、色あせもほとんど起こりません。さらに下地をしっかり隠す性質も併せ持つため、耐候性と隠蔽性が抜群に高いです。

しかし、色鮮やかな原色を作るのは苦手で、全体的に落ち着いたアースカラーが中心になります。主な色としてレンガ色、オリーブ、ブラウン、グレーなどがあります。

まとめ|

いかがでしたでしょうか?
この記事では、塗装初心者の方に向けて「顔料」の基本成分や役割、染料との違いを分かりやすく解説してきました。

色を付ける「顔料」と「染料」、「有機顔料」と「無機顔料」など、真逆の特長を持つ材料から作品に適した塗料を選ぶことは、一見難しいように思えるでしょう。

しかし、悩んだ時こそ、顔料の成分や特長に注目してみましょう。
例えば「カラフルな屋内雑貨には有機顔料」「ウッドデッキやガレージには無機顔料」というように基本を押さえておけば、塗料選びの失敗は大幅に減らせます。

そのためにもまずは好みの色の特性をチェックすることが、失敗しない塗料選びのコツです。

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